「テイスト・オブ・ジャズ」は、毎週日曜19:00~19:30で放送中(再放送は毎週金曜日 18:30~19:00 ※特別番組放送により休止の場合あり)。番組収録のウラ話はこちらのブログでも紹介されています。
【小西啓一の今日もジャズ日和Vol.660~2023年スタート】
明けましておめでとうございます。と言っても今日は新しい年がスタートしてはや5日目。局員ならばもう業務もスタートして、仕事の段取り等色々忙しい筈だが、こちらはそういう点では全くお気楽なもの。だがこの年齢になるとどうしても行く末が気になり、余り正月や新年と言った祝い事にも関心が薄くなってしまう。賀状なども「あの人から来なくなったなー」等と気づくと、もう亡くなっていたと言うことも少なくない。寂しくも物悲しいものである。
まあ正月からこんなことを歎いていても詮無い...と、ここらで気分をガラッと初春モードに変えて元気に行きましょう。そんな気分一新には、元旦の夜放送(ラジコのタイムフリーでまだ聴けます)の我が「テイスト・オブ・ジャズ」のゲスト、ギタリストのムレさんこと中牟礼貞則さんはまさにぴったりな存在。今年の3月にはなんと齢90才を迎える、日本ジャズ界のレジェンドにして生き字引のムレさん。サダオさん(渡辺貞夫)と同い年で、2人共に今でも頑張ってギグ(演奏活動)をバリバリと熟し続けている。凄い人達です。
ムレさんはその外見どおりに実に生き方も飄々・恬淡としており、孫ほど年齢差のある若いギタリストとも気さくに付き合い、色々指導もしたりする。それだけにムレさんを慕うギタリストも数多く、アルバムでも弟子の三好三吉氏との共演や、浅利史花さん等のまだ20代のギタリストを含む3世代ギタリスト共演など、数々のセッションアルバムも多い。ギタリストは普通ステージでは椅子に座って演奏することも多いのだが、ムレさんは直立不動でギターを抱えて演奏する。実直そのものだがその姿にも彼の演奏の本質、音楽と向き合う姿勢が良く窺える。
「今は演奏することだけが愉しみです。後は家に帰って寝る事」。奥さんを亡くされてからは演奏活動に没頭、お呼びがあればギター1本を抱えて都内のライブハウスにひょいひょいと赴く。淡々と無理なくしかも精魂込めた演奏振り。一つことに集中し一心腐乱、ぼくのように常にいい年のチャンジーながら鬱屈を抱えている日々を過ごしている輩には、その澄んだ心境、本当に羨ましくなります。有難う!ムレさん!なお今週放送分は、業界の良心とも言われる「コアポート」レーベルの代表、高木洋司氏が、スナーキー・パピーとマーク・ジュリアナと言う、昨年のジャズ界で話題になった好アルバム2作品を紹介します。今年も色々宜しくお願いします。
【今週の番組ゲスト:コアポート代表 高木洋司さん】
M1「under the influence / Mark Guiliana」
M2「everything changed after you left / Mark Guiliana」
M3「Bet / Snarky Puppy」
M4「Take It! / Snarky Puppy」
M5「Cliroy / Snarky Puppy」