「三菱商事大幅高・トヨタ続伸⇔ダイキンは大幅続落―――個別株物色中心の展開」
2月7日の東京株式市場は、個別株物色中心の展開となりました。
三菱商事が大幅高です。前日に決算を発表しました。上限5000億円の大規模な自社株買い実施が好感されています。子会社ローソンの経営をKDDIの共同運営に切り替えると発表したことも評価されています。
前日に決算を発表して4%も上昇していたトヨタも引き続き買われました。営業利益上方修正幅(4000億円)はアナリストコンセンサス(1000億円強)を大きく上回ったようです。
トヨタの来年度・25年3月期には「挽回生産本格化の反動=グローバル自動車市場の鈍化」が意識されます。クルマ1台当たりの利益を以下に高めるかが焦点でしょう。10-12月期決算の内容で稼ぐ力の強さが認識されました。そのため、来年度の利益水準は従来予想よりも増加するとの見方が強まったようです。
一方で、ダイキンは大幅安です。空調機器の大手メーカーです。中国の住宅市況・エアコン需要を警戒する観点から、既に6日に4%も下げていました。そして、決算発表を受けて7日も大幅続落です。
ダイキンの決算では、中国よりも欧米の売上高動向が失望されたようです。
ダイキンの地域別売上高(4-12月)
米州1兆1726億円(+16%)
欧州 4753億円(+3%)
中国 3895億円(+5%)
上記が9カ月累計の地域別売上高です。では、直近10-12月期を抜き出してみましょう。
ダイキンの地域別売上高(10-12月)
米州3536億円(+9%)
欧州1470億円(-6%)
中国1192億円(+15%)
10-12月期について、中国のエアコン販売は改善しています。その一方で、米国の増収率が鈍化し、欧州の売上高は前年同期比でマイナスに転じました。中国よりも欧米向け製品の方が利益率は高いでしょう。欧米における高付加価値品の販売鈍化が利益面に与える影響が懸念されています。
2月7日午後3時10分記