「三井不動産が急騰――OLC株活用して自社株買い要求」
「日本株上昇――前橋市長選挙の結果は気にならないのか?」
2月5日の日本株は上昇しました。前週末の米国市場における「米株高・金利高(債券価格下落)・ドル高」を好感して、買いが先行しました。
三菱UFJFG(8306)が買われ、1日の高値1399円を更新しました。みずほFG(8411)も昨年9月22日に付けた昨年来高値2724.5円を4か月半ぶりに更新しました。銀行株高です。米国金利上昇受けて、日本国内の金利も上昇し、再び0.7%台に乗せました。金利高により先行きの利ザヤ拡大が期待されるグループです。
不動産株も上昇です。「アクティビストのエリオットが三井不動産に1兆円の自社株買いを要求した」との報道を受けて、三井不動産が大幅高となり、それが不動産株全体の上昇につながりました。
三井不動産はオリエンタルランド(4661)の大株主です。時価総額で約10兆円規模のオリエンタルランドの株式を約5%保有しています。オリエンタルランド株式と言えば、筆頭株主の京成(9009)に対する「売却・有効活用プレッシャー」が有名ですが、三井不動産の保有するオリエンタルランド株式の価値も意識されています。
先週には、日本テレビ急騰の連想からTBSHDも大幅高となりました。TBSは東京エレクトロンの大株主として知られます。
日本株急騰の背景には「保有資産有効活用の要求」という株主からの圧力が働いています。
先週に事業に関する不正が明らかになった豊田自動織機(6201)の株価は5日、連日の昨年来高値更新です。「不正は株価の悪材料」のはずですが、株価は新高値です。
つまり、投資家は豊田自動織機の「不正による業績への影響」よりも、トヨタの大株主である豊田自動織機の「膨大な資産価値」の方への関心が高いのです。不正で少々、業績が悪化しようと、資産価値を考えれば、大した問題ではないと投資家は考えています。だから新高値です。
けっこう、良いとこ取りの株式市場ですね。しかし、政治面で注意しなければならない事象が発生しています。4日投開票の前橋市長選は、与党推薦の現職候補が落選しました。6万票対46000票で、約14000票の差がついています。
前橋市は群馬県の県庁所在地です。群馬県と言えば、福田父子氏、中曽根氏、小渕氏と、歴代最多4人の総理大臣を輩出している県です。選挙において、自民党が強い地域として知られています。そこの県庁所在地の市長選で与党推薦候補が大敗です。
「政権安定」、「政策の継続性」は投資家にとって重要な要素です。
2月5日午後3時10分記