「JPモルガン、24年の金利収入は減少」
「年間6回利下げ前提」
「"金利は市場予想より高くなる可能性"」
1月12日の米国市場では、NYダウは0.3%下落しました。ナスダック指数は0.02%上昇しました。決算を発表したユナイテッドヘルス(UNH)が3.3%下落してNYダウを押し下げました。
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JPモルガンは12日、23年12月期の決算を発表しました。
JPモルガンの10-12月期
(カッコ内は7-9月期)
売上高 399億ドル(406億ドル)
貸倒引当金27億ドル(13億ドル)
純利益 93億ドル(131億ドル)
1株利益 3.04ドル(4.33ドル)
7-9月期と比べて10-12月期の売上高は減少しました。一方で貸倒引当金は増加して、利益は減少しました。
次に24年12月期の見通しです。
JPモルガンの24年12月期予想
金利収入900億ドル(前10-12月期240億ドル)
24年の間に政策金利は6回の引き下げが行われ、上限4%(現状5.5%)まで下がるとの前提で金利見通しを立てています。
10-12月期の金利収入は240億ドルでした。これは年間換算で970億ドルのペースとしています。今年は、金利低下によって金利収入は年間80億ドル減少すると見ています。JPモルガンの株価を見てみましょう。
JPモルガンの株価(12日)
169.05ドル(-0.73%)
12日の取引時間中高値は176ドルを付けて、52週高値を更新しました。終値は小幅安でした。
JPモルガンのダイモンCEOのコメントを抜粋して以下に引用します。
「当グループのバランスシートは極めて強固だ。「5140 億ドルの驚異的な損失吸収能力」、「1兆4,000 億ドルの現金・預金・与信資金」を持つ」
「米国経済は底堅く、堅実な消費は続いている。市場は現在、ソフトランディングを予想している。米国景気は、政府の巨額の赤字支出と過去の景気刺激策に支えられていることに注意する必要がある」
「グリーン・エコノミーやグローバル・サプライチェーンの再構築、軍事費の増加、医療費の高騰などによる支出増加の必要性も続いている」
「医療費が高騰している。このため、インフレはより粘り強くなっている。金利は市場予想より高くなる可能性がある」
「下振れリスクもある。量的引き締めは年間9000億ドル以上の流動性をシステムから流出させている」
「ウクライナと中東で進行中の戦争は、エネルギーと食糧市場、移民、そして金融市場を混乱させる可能性がある。重大かつ前例のない力によって、私たちは慎重であり続けなければならない」
上記のコメントは、24年の米国・世界経済をデザインする上で参考になると思います。
1月13日午前6時30分記