「日本株上昇、"米金利高・ドル高・米株高"好感」
「法人企業景気予測調査、今年度経常利益予想は上方修正」
「景況判断指数は低下」
12月11日の日本株は上昇しました。先週金曜日の米国市場では、11月雇用統計の結果を受けて、米金利上昇・ドル高・米株高となりました。日本株の反発を促す内容となったため、週明けの東京市場では買いが先行しました。
TSMCが8日発表した11月の月次売上高は前年同月比7.5%減少となったものの、7-9月期の売上高水準と比べると増加する内容でした。東京市場では、半導体関連株も総じて堅調な動きです。
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内閣府・財務省は11日、法人企業景気予測調査を発表しました。13日発表予定の日銀短観の内容を端的に示すデータです。
法人企業景気予測調査
(カッコ内は前回見通し)
売上高(23年度予想)
全産業 +2.5%(+2.7%)
製造業 +2.8%(+3.2%)
非製造業+2.3%(+2.4%)
経常利益(23年度予想)
全産業 -1.9%(-3.9%)
製造業 −7.8%(-10.7%)
非製造業+0.4%(-1.4%)
3か月前の調査と比べて、10-12月期の売上高見通しは表記のように下方修正されました。一方で、経常利益は上方修正です。製造業の経常減益率は、従来の10.7%に対して7.8%に縮小しました。非製造業は増益に転換しました。
業種別の経常利益について、主な上方修正業種、下方修正業種を以下に記します。
(カッコ内は前回見通し)
(上方修正業種)
自動車関連 +18.4%(-7.0%)
石油・石炭 +59.1%(+3.8%)
窯業 +51.2%(+49.1%)
紙パルプ +41.1%(+33.0%)
化学 -12.5%(-15.4%)
鉄鋼 -22.1%(-24.0%)
非鉄金属 -20.8%(-29.1%)
生産用機械 -12.0%(-20.8%)
情報通信 +4.0%(+1.5%)
運輸業 -13.9%(-17.5%)
宿泊・飲食 2.2倍(+33.7%)
下方修正業種
食品 +28.0%(+33.6%)
繊維 -31.4%(-24.5%)
木材 -32.9%(-23.2%)
汎用機械 -17.2%(-6.3%)
電気機械 -6.6%(-0.6%)
製造業では自動車業界、非製造業では、宿泊・飲食業の利益見通しが大幅に上方修正されています。
次に景況判断指数を見てみましょう。大企業の景況感は、3カ月前調査と比べて低下しています。
大企業景況判断指数(上昇-下降)
(カッコ内は前回見通し)
全産業 +4.8%P(+7.3%P)
製造業 +5.7%P(+8.8%P)
非製造業+4.4%P(+6.5%P)
全産業の業況判断指数は「+4.8」となり、3カ月前調査の「+7.3」を2.5%P下回りました。製造業が3.1%P低下しました。12月13日発表の日銀短観を前に参考になるデータです。為替の円安は日本の製造業にとってプラス要因になりますが、製造業の業況判断は低下しました。今年度売上高予想の下方修正と合わせ、需要自体が悪化していることを示します。
12月11日午後3時10分記