「16日の米国株上昇」
「企業決算発表本格化すれば売りにくくなるか?」
「16日の日本株安、"現物株売り"が増加」
10月16日の米国株は上昇しました。上昇率は、NYダウが0.9%、ナスダック指数が1.2%でした。
原油価格が86ドル~88ドル台の落ち着いた動きを見せたことが好感されました。今週は米国で決算発表が活発化します。火曜日はゴールドマンサックス、バンク・オブ・アメリカ、水曜日はテスラにネットフリックス、P&G、ラムリサーチ、19日はTSMC、フリーポートマクモラン等が決算を発表します。
外部環境の不透明感が増す状況ですが、企業内容の詳細が明らかになれば、売り込みにくくなるとの発想が広がったようです。ただ、現状の米国10年債の利回りは4.7%台です。この高金利よりも魅力のある投資対象が求められますので、購入すべき米国株を探すハードルは高くなっているように見えます。
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ニューヨーク連銀は16日、10月調査の製造業景況指数を発表しました。
現状景気指数-4.6(前月比-6.5)
期待景気指数+23.1(前月比-3.2)
現状指数はマイナスに転じました。新規受注は「-4.2」(前月比-9.3)、出荷は「+1.4」(前月比-11.0)と、ともに低下しました。6カ月先の景況を示す期待指数はプラス圏ですが、前月比でやや水準が低くなりました。
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10月に入ってから日本株の乱高下が見られています。10月入り後、10日の取引日のうち、前日比で500円以上の変動幅になった日が5回あります。つまり、10日間のうち、半分の日で500円以上上昇、もしくは500円以上の下落となっています。
日本株が下がる日には、ヘッジファンドなどの投機資金・トレンドフォロー型の短期資金が、他者から調達した株を積極的に売り、利益を狙う手法が活発になります。借りてきた株券を売るから売りが優勢になって株価が下がります。
一方で、上がる日には、同じトレンドフォロー型の短期資金が買いから入り、買いが優勢になります。空売りではなく買いから入るので株価が上がります。
だから、下がった日は空売り比率が高くなり、上がった日には空売り比率が低下します。言い換えれば、空売りが多いと株価が下げ、少ないと株価が上げます。
以下に10月に入ってからの空売り比率の推移、日経平均の変動幅を時系列で記載します。
10月
2日 41.5% -97円
3日 47.8% -521円
4日 47.0% -711円
5日 45.3% +548円
6日 43.3% -80円
10日38.0%+751円
11日40.3%+189円
12日39.2%+558円
13日43.2%-178円
16日45.7%-656円
空売り比率が40%を割った日(10日、12日)はそれぞれ751円高、558円高です。そして、47%を超えた3日、4日は521円安、711円安です。空売り比率が低下すると株価大幅高、上昇すると株価大幅安です。空売りが増えるか減るかで1日の株価の方向性が決まります。
さて昨日16日のデータはちょっと気になります。空売り比率は45%台にとどまっているのに、日経平均が3日、4日と同じような下落を記録しています。つまり、16日は投資家の現物株売りの比率が上昇したことを示します。
投機資金が短期トレードのために空売りを活発化しても、短期の値ザヤ稼ぎが目的でしょうから、「日本株にはよくある現象」です。でも、日本株を保有していた投資家が現物株を活発に売る展開となると、株式を手放す理由が生じたことを意味します。それがどういう理由によるものなのか、重要になります。
10月17日午前6時10分記