「テイスト・オブ・ジャズ」は、毎週木曜22:30~23:00(本放送)と金曜18:30~19:00(再放送)で放送中。番組収録のウラ話はこちらのブログでも紹介されています。
【小西啓一の今日もジャズ日和Vol.650~伊香保温泉とジャズミュージアム、そして仲野麻紀~】
10月の連休の中日に群馬県の伊香保温泉に行って来た。と言ってもぼくの大好きな物見湯山ではなくれっきとしたジャズ番組の取材である。この伊香保温泉からほど近い場所に、今年の春から「ジャズ・ミュージアム21」が開館され(元々あった切り絵美術館を居ぬきで使用している)、前々から是非一度来てみて欲しい...と館の関係者から頼まれていたのだが...、何せ場所は遠いいし番組は予算もゼロ...と言うことで、伊香保までの遠出は渋っていたのだった。しかしこの場所では時々ジャズライブも催され、結構興味深いミュージシャンも登場するとのこと。そんな話も関係者のⅠ氏から良く聞かされており、「じゃあ興味のあるミュージシャンが登場の時には...」と生返事していたのだが、その機会も無かった。
ところがこの10月初めの連休の一日に、この場所で鬼才ピアニスト渋やんこと渋谷毅さんと、世界中を旅するサックス奏者仲野麻紀さんが、初めてのデュオ演奏を行うとのこと。渋やんにはちょっと前に番組に登場してもらったばかりだが、世界を股にかけて活動する美しきアマゾネス、仲野さんは花の都パリが拠点で殆んど日本には顔を見せてくれないうえに、最近アルバムを出したばかり...と言う好条件も揃っている。なにより2人のデュオ演奏も大変興味深かったし、仲野さんにも最近の活動を聞く...と言うのも面白いものと思い、この際思い切って番組取材とライブ鑑賞、ジャズ・ミュージアム見学の3つを兼ね、伊香保温泉に向かうことに決めた。
ただこのミュージアムのある場所、伊香保温泉街からほど近い...と言っても5~6キロは離れていて、都会人のぼくからしたらおよそ近いとは言えない距離だし、伊香保やその近くのうどんで有名な水沢には時々行くのだが、そこよりも更に離れた場所のようなので足回りが心配。伊香保温泉まで来れば車で迎えに行く...と言われても、あの近くを知っているだけに余計心配だった。鉄道とタクシー、または高速バスを使って伊香保迄等と色々方策を考えたが、どれも今一つの感強し。そこで大学時代のクラブ仲間で、よく一緒に山行などもしたⅯ君に、ジャズ鑑賞と取材の件を打ち明け車を出してくれないか...と頼み込むと、二つ返事でOKをもらう。頼みは良き友である。と言うことで彼の車で山本嬢と共に伊香保近郊へと向かうことにした。Ⅿ君も温泉好き...なので、途中で伊香保で物見湯山をした後に会場へ...と言うことで、有名な伊香保温泉の長い階段脇の日帰り温泉に入り、その後に長沢で名物うどんを食べ...と言う計画だったが、温泉堪能は叶ったのだが流石連休だけにうどん屋はどれも超満員、食することできず残念!
肝心のジャズ・ミュージアムは廻りに何もない場所で、隣にお土産屋があるのみ。ライブ開始の1時間ほど前に到着し、収録のセッティングと会場で行われていたキース・ジャレットなどのジャズ写真展を眺めた後、お楽しみのデュオライブを聴く。Ⅰ部は仲野さんのソロ演奏でⅡ部が渋やんのソロ、そしてⅢ部がようやく2人の初デュオだったが、期待通りの好内容。この後このデュオは、渋谷のクラブクワトロでも行われることに決定したようだが、それもうべなるかな...と思わせる感じで、期待を裏切らなかったし、2人のよる歌のデュオまで聞かれたことは、予想外の喜びだった。世界を股にかける女傑、仲野麻紀さんもこの日は憧れの渋ヤンとのデュオ...と言うことで、大分緊張していたみたいだが、あの百戦錬磨の彼女でも...と意外でもあったし、すこしばかり愛らしくもあった。
2時間ほどのライブが終わった後、仲野さんの番組収録を行ったが、未だ緊張が解けてない様子の彼女。改めて新鮮だったし、渋やんと言う鬼才の魅力にも再確認させられた。番組では彼女自身の活動紹介と自身のアルバム紹介、それと並んで自身でここ数年間やっている、「オープン・ラジオ」の番組も紹介してもらった。これは彼女も言う通りに、世界でも珍しい程の素敵な選曲を行うラジオ番組で、世界人の彼女ならではの魅力満載の素晴らしい音楽番組として、ぼく自身にも為になるものだし、是非推薦したいものでもある。
愉しいライブ鑑賞と取材を終え、伊香保を出て東京に帰ったのは大分遅い時間に及んだが、まあ充実の一日でした。なお仲野さんの放送は12月半ばになります。なおこの「テイスト・オブ・ジャズ」の放送は、11月から日曜日の夜7時に移ります。今まで同様にお付き合いの程宜しくお願いします。
【今週の番組ゲスト:ジャズピアニストの栗田妙子さん】
M1「ブルーシート」(『ブルーシーツ』より)
M2「Improvisation♯1」(『Improvisation1』より)
M3「グノシエンヌ第2番」(『知らない人Stranger』より)
M4「無題」(『ブルーシーツ』より)