「海運株が大幅上昇――昨日の空売り比率60%超」
「中国の11月新エネルギー車生産=初の100万台突破」
12月15日の日本株は堅調な展開となりました。昨日の下落の反動だと考えます。海運株が軒並み大幅上昇でした。昨日の海運業は業種別空売り比率が60.5%となりました。業種別で最も空売り比率が高かった業種です。その海運業が本日は大幅上昇です。
トレンドフォロー型の短期マネーが昨日に海運業を売り込み、その下げが行き過ぎたので、本日は反動で上昇率が高くなったのでしょう。
現在の東京市場では、短期マネーの空売りで下げる場面が目立ちますが、下げた場面で買う動きもあるので、一方的な下落相場にまでは至っていません。下げ局面では逆張りの発想が有効に見えてきます。
来週は日銀金融政策決定会合の結果が19日火曜日に発表されます。「マイナス金利の解除を控える場面」では、思惑が働いてドル安円高になりやすく、「実際に解除されてゼロ金利(0~0.1%)になった場面」では、着実な金利差を理由にドルを買いやすくなると考えます。
☆
15日は中国国家統計局から11月の主要経済指標が発表されました。日本企業の業績を考える上で重要なデータです。まずは小売売上高です。
中国小売売上高
8月 3兆7933億人民元(+4.6%)
9月 3兆9826億人民元(+5.5%)
10月4兆3333億人民元(+7.6%)
11月4兆2505億人民元(+10.1%)
11月の小売売上高は前年同月比10%の大幅増加です。コロナ禍で減少した昨年11月の反動との解説が多いようです。1年前の22年11月の小売売上高は「3兆8615億人民元(-5.9%)」でした。前年同期で6%弱落ちた後、10%増えています。
次に工業生産高です。
中国工業生産高
8月 +4.5%
9月 +4.5%
10月+4.6%
11月+6.6%
工業生産高の伸び率が拡大しました。自動車生産が大きく伸びています。以下参照。
中国の自動車生産台数(カッコ内は前年比伸び率)
9月283万3000台(+3.4%)
10月277万9000台(+8.5%)
11月295万3000台(+23.6%)
自動車生産の内容を見ると、EVを軸とする「新エネルギー車」の生産台数が、単月で初めて100万台を突破しました。伸びが加速しています。
中国の新エネルギー車生産台数(国家統計局、前年同月比)
9月84万7000台(+12.5%)
10月92万7000台(+27.9%)
11月100万6000台(+35.6%)
以下にPC、携帯端末、スマホのデータも転載しておきます。10月と比べると回復基調が鮮明になったように見えます。特に携帯端末(スマホ)が強いですね。
PC(万台)
9月 3256(-16.3%)
10月2837(-17.9%)
11月2995(-2.8%)
移动通信手持机(万台)
(携帯端末)
9月15941(+11.8%)
10月15002(+2.6%)
11月16101(+21.6%)
うち智能手机(万台)
(うちスマホ)
9月11339(+3.2%)
10月11297(+1.1%)
11月12127(+25.1%)
12月15日午後3時10分記