「"今年の大幅高銘柄"が大きく下げる」
「買いが手控えられると、売りが膨らむ日本株」
「空売り比率上昇」
12月5日の日本株は下げました。
米国雇用指標とFOMCを控える時期です。先週まで上昇してきた株式市場では、買いが手控えられています。短期トレーディング資金の売買で振れやすいのが日本株です。買いが手控えられると、売りが優勢になってしまいます。
短期トレーディング資金は常に投資成果を追求します。買いが手控えられると、円高等を材料に売りで入って利益を得ようとします。昨日4日は一気に空売り比率が上昇しました。11月以降の空売り比率を時系列で示します。
11月
1日40.8%
2日40.7%
6日40.1%
7日42.1%
8日44.8%
9日40.1%
10日43.7%
13日41.9%
14日38.8%
15日39.3%
16日41.4%
17日39.8%
20日43.5%
21日42.3%
22日40.5%
24日39.6%
27日42.0%
28日43.3%
29日42.9%
30日41.2%
12月
1日37.9%
4日45.1%
4日の空売り比率45%超は11月以降で最高です。11月は日経平均が8.5%上昇しました。空売りが控えられた結果、買いが優勢になり、日経平均は大幅な上昇となりました。しかし、4日は円高で日本株が崩れやすいと見るや、一気に空売りが膨らみました。
買いが手控えられるとしても、わざわざ売りを出さなくてもよいのに...、と考えるのは当然です。しかし、常に利益を追求するのが短期マネーの特性です。近年、日本市場を舞台に何度も繰り返された光景です。
特に「ここまでの上昇が大きかった株」の下落が厳しくなっています。具体的には「4日に高値を示現した半導体関連株」=TOWA、野村マイクロ、SCREENが大幅な下落です。4日に高値を付けたのですから、将来展望が期待される今年の出世株です。本日の下落はファンダメンタルズの変化によるものではないと考えるのが一般的でしょう。
従って、本日の下落は「上がった株の利益確定売りを出す」、あるいは「重要雇用指標の発表を控えて保有株式の比率を下げる」売り、つまり「投資家側の事情」でしょう。経済や企業業績の見方に変化がなければ、大事には至らないと考えます。
ただ、昨日も書きましたが、来週のFOMCではメンバーの金利・経済見通しが明らかになります。11月以降の株価上昇は「利上げ打ち止め・来年の利下げ回数4回に増加」に起因しています。市場の見方とFRBの見方にギャップが出れば、その分の下落は覚悟しなければなりません。
12月5日午後3時15分記