10月29日（日）に東京競馬場で行われる第168回天皇賞（秋）に出走を予定しているドウデュース（牡4、栗東・友道康夫厩舎）について、追い切り前に行われた武豊騎手の共同記者会見でのコメントは以下の通り。

「今はワクワクしています。去年の秋は凱旋門賞を目指してフランスに渡って、この馬本来の走りが全くできませんでした。そういうこともあって、前走の京都記念は仕切り直しの一戦という気持ちで迎えました。いい走りで、いい勝ち方ができました。本来の走りが戻ったと思いました。わりと2歳の頃から完成度のすごく高い馬でしたので、どこかのタイミングで急に何か変わったという感じよりも、少しずつ強くなっている感じです。

一週前の追い切りは、しっかりと乗り込めてきているので、一週前としてしっかり強めの負荷をかけた追い切りをしてほしいと言われて、その通り、いい追い切りが出来たと思いました。走りも良かったです。馬場に入ってキャンターに下ろした時から馬がすごく走りたがって、いい雰囲気でした。ラストもゴーサインを出したら反応も速かったですし、この馬らしい追い切りが出来たと思いました。もともとすごく乗り味が良いというか、余裕のある走りをする馬で、反応も速いですし、総合力が高いという走りをします。

精神面は2歳の時から落ち着いている馬ですが、馬体は、筋肉がすごくなったと思います。夏場に休養している時も見たのですが、全く筋肉が落ちていなかったですし、栗東へ帰ってきて最初に見た時は、驚くぐらいムキムキになっていました。ようやくこの馬でレースに出られますし、それが天皇賞ですから、非常に楽しみです。

今回はすごいメンバーだと思います。イクイノックスという、世界ナンバーワンと言われている馬もいます。同期の馬ですから、ダービー以来に一緒に走れるので、楽しみです。イクイノックスのことは、すごいな、強いなと思って見ていました。実際、一緒に乗っていても圧倒的な強さを感じていましたし、イクイノックスとレースをするたびに、ドウデュースでいつかもう一度という気持ちはありましたから、ようやくその時が来たかなという感じです。もしドウデュースで一緒のレースに出ていたらどうだったのかとか、どのあたりにつけていて、どのぐらいの脚をドウデュースだったら使っていたかとか、そういうことを思うことはありました。

決まった形でしか走れない馬では無いので、枠順とか、展開、他の馬の出方とかもありますから、あまり決めつけずに、柔軟に対応していきたいと思います。東京の2000mはこの馬にとっていい舞台だと思います。東京コースは結果も出ていますし、距離の2000mは全く問題無いと思います。1600mでも2400mでもGIを勝っているわけですから、いい条件だと思います。

今の体調で、東京の2000mでやれるというのは非常に楽しみですし、イクイノックスだけではなくて他の馬も強いですから、この馬の力を出すことに集中して乗りたいと思います。

天皇賞にドウデュースとイクイノックスの2頭とも出走、ということが決まってから、取材が多かったり、競馬関係者以外からも、頑張って下さいとか、楽しみにしていますとか、そういう声は非常に多いです。注目されているというのは感じます。ドウデュースと天皇賞に出られるので、自分自身もワクワクしていますし、いいレースをすることに集中したいと思います」

（取材：三浦拓実）