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10月15日(日)に京都競馬場で行われる第28回秋華賞(GI)に出走を予定しているマスクトディーヴァ(牝3、栗東・辻野泰之厩舎)について、追い切り後の辻野泰之調教師のコメントは以下の通り。

「前走のローズステークスは、レース前は、この馬の競走馬としての完成度から、重賞のメンバーでどれだけやれるかという印象は持っていたのですが、こちらが想像していた以上のパフォーマンスを見せてくれたので、すごい馬だと改めて感じました。放牧帰りで、いい状態で栗東に戻ってきてくれて、調教も順調に進みましたので、こちらの印象としては、もしかしたら権利ぐらいは取ってくれるかもしれない、というぐらいの感触ではあったのですが、いい意味で裏切るような走りを見せてくれたと思います。

まだ成長途上の現状を踏まえると、3歳の秋で重賞に入ると少ししんどいのかという印象は持っていました。レースでは、抜け出すのが早くてハラハラしていたのですが、抜け出してから少しまわりを見るぐらいの余裕があったようですし、帰ってきてからも息の入りもすごく良くて、本当にすごい馬になるのではないかと、レース後には感じました。

あの時計で走った後でしたので、馬体含めて脚元のダメージなどは心配だったのですが、一週間厩舎で様子を見て、思いのほか疲れも無く、ダメージも無く、立ち上げた時も、むしろ実が入ってきたかと思うくらいの状態でしたので、これなら中3週でGIに向かえるという感触を得ることができました。デビューの時から一歩一歩成長してくれていると感じますし、それ以上に、レースでのパフォーマンスが、こちらが思っている以上に上がってきていますので、私たちの想像を超えてきてくれている馬だと感じます。

デビュー戦はゲートが不安定だったり、2戦目はコーナリングが不安定だったりというところがあったのですが、そのあたりは次のレースできっちりと自分で修正してくれますし、普段もオンとオフの切り替えが上手で、頭がいいのだと感じます。それに伴ってフィジカル的にもどんどん大人になってくれていると感じますので、このまま成長していってくれれば楽しみだと思います。

ローズステークスの後の立ち上げから、もうひと負荷を一週前にかけていってもいいのではないかと思っていましたので、一週前追い切りは、CWで併せ馬でやりました。時計というよりは、馬のバランスであったりとか、どれだけタメが利くような走りができているのかの確認でしたが、追えば弾けそうな手応えと姿勢で走ってきてくれましたので、一度使っての上積みも期待していいのではないかと感じました。

今週の追い切りは、軽すぎず、負荷をかけすぎずというところが目的だったのですが、坂路で単走で、指示通り、思惑通りの時計では走ってきてくれました。ただ、いくらかトップスピードに入った時に少しバランスが前に移行するところがありましたので、そこはまだ完成度が100%ではなくて、来年以降、まだまだ良くなってくる余地を残した走りだったのではないかとは感じます。これまでも、一週前はコースで、当該週はバランスの確認などで坂路に入れるというパターンでしたので、今回もそのパターンでやりました。

京都は初コースになりますが、オンとオフのはっきりしている馬で、初めての環境に戸惑うということはあまり考えられないと思います。とはいえ、デビュー2戦目の忘れな草賞で、ちょっとコーナリングがスムーズに行かなかったところがありましたので、1コーナー、2コーナーをスムーズに回ってこられるかどうかがカギになると感じています。

忘れな草賞でコーナーで外に膨れた時は、外枠で、内の馬にびっくりして、なお外に、というところがありました。キャリアの浅さもあったのではないかと思いますし、その時点ではまだ体幹もしっかりしていなくて、それで外に振られた面もあったと思います。ここ二走を見てもコーナリングは上手になってきてくれていますが、コーナー4つは春以来ですので、何とか1コーナー2コーナーをスムーズに入っていってほしいとは思います。

枠順は、外枠は嫌だと思いながら内枠も嫌だと思うので、おおむね岩田望来騎手と同じ気持ちです。デビュー戦は重馬場で勝ちましたが、前回のパフォーマンスを見ても、やはり軽い芝でこそ、この馬のパフォーマンスが一番出せる条件ではないかと思いますので、いい馬場に越したことはないと思います。2000m自体は問題無くこなしてくれると思います。

春の二冠をとった、名牝と言われる馬もいますし、他の陣営もGIに向けてしっかり作ってくると思いますので、それに負けないような馬づくりをしてレースに臨みたいと思っています。春は、テレビ越しに、すごい馬だと、見ているだけの立場でしたので、そういう馬と牝馬三冠の最後に一緒に走れるというのはすごく光栄なことだと思いますし、この馬の今の力を出し切って、春の二冠馬に立ち向かってもらえたらと思います。

牝馬三冠の最後に間に合うことができました。強い馬もたくさんいますし、どこまでやれるかは未知数ですが、しっかり力を出し切れるように馬を作っていきたいと思いますので、応援よろしくお願いします」

(取材:三浦拓実)

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