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ダービーの興奮がまだ残る中、今年前半の東京競馬場でのGIシリーズを締めくくる安田記念が行われる。

 上空に薄雲が広がった栗東トレーニングセンターでは安田記念へ向けて有力各馬のトレーニングが行われた。
午前6時、朝一番の組でウッドチップコースに入ったサトノアラジンは前に2頭のパートナーを見ながら4コーナーで内から並びかける形の調整。直線半ばで楽に先頭に立ってゴール地点を駆け抜けた。
調教後の関係者へのインタビューの内容は以下の通り。

●サトノアラジン(池江泰寿調教師)
◎見事な脚での差し切り勝ちだった京王杯スプリングカップを振り返ってください。
香港で2000メートルのレースを使った時に、やはり距離は(この馬には)長いと感じまして、マイルがベストなのかと思ったのですが適当な番組(レース)がなかったので、東京競馬場なら1400メートルでも合うのではないかと思って京王杯を選択しました。
レースはGIIにしてはテン(最初)のペースがやや遅く、後方に待機する形でしたから届くかどうかわかりませんでした。まさかあれほどの強烈な脚を繰り出せるとは思っていませんでしたが、胸のすくような気持ちのいい勝ち方をしてくれました。

◎着差(1馬身2分の1)以上の強さを見せたような印象でしたが?
そうですね。やっと素質を開花させることができたなと思いました。

◎どのあたりが一番良くなってきたのでしょうか?
背中や腰に疲れが溜まりやすいところがあるのですが、前回のレース前あたりから背中の痛みがほとんどなくなりました。それまでは背中を触ろうとするとへこますぐらいで、痛さを見せていたのですが、背中を触らせるぐらいしっかりしていましたし、やっと芯が通ったのかなと感じました。

◎前回のレース後はどんな形で過ごしたのでしょう?
中2週ということで在厩しながら調整をしたのですが、激走の後でも背中に疲れは溜まっていませんでしたし、むしろ体も引き締まって素軽さも出てきたので、京王杯以上の状態で出走できそうですね。

◎今朝のウッドチップコースでの調教の内容を教えてください。
3頭併せる形で最後方を追走して直線は最内にもぐりこみ、終いをしっかり伸ばすという内容の調教でした。

◎楽に抜け出た印象でしたが?
2番手にいた3頭の真ん中のサトノノブレスも調教駆けするのですが、それを馬なりでスッと交わしたように、本当に今、状態がいいんだなと感じました。

◎今回は京王杯と同じ東京競馬場で距離が伸びて1600メートルとなりますが、この馬の適性について語って頂けますか?
マイルがベストだと思いますので。1400メートルではちょっと追走に手間取ったのですがマイルなら中団あたりで脚を溜められるのではないかと思いますね。

◎今回は流れも相手も変わって来ることになりますが、そのあたりは?
GIなのでペースは京王杯よりは流れると思います。あとはメンバーですよね。絶対王者がいますからね。

◎もともとの素質を考えますとチャンピオンホースとの対戦はまた楽しみですね。
マイルチャンピオンシップでコンマ2秒差まで詰め寄ったのですが、あの頃より本格化して状態も良いので、どこまでその差を詰められるのか、もしくは逆転できるのか、楽しみな再戦です。

◎今回のレースに向けての期待のほどを一言お願いします。
2歳のデビュー前からファンの皆さんに期待して頂いていて、クラシックには縁がなかったのですが、やっとこの馬の適性を見抜くことができました。しかも絶対王者が出てきますので、ここを勝てばアジアのマイルチャンピオンという称号を頂けるので何とか王者を倒してその称号を頂きたいです。


●サトノアラジン(川田将雅騎手)
◎前回、京王杯スプリングカップで初めてコンビを組んだサトノアラジンですが、見ていた印象と乗った感じとで違いはありましたか?
本当に素晴らしい馬でしたし、調教で初めて乗せて頂いた時も本当にいい馬だと思いました。(レースでは)1400メートルという距離が初めてでしたので対応に心配があったのですがうまく対応してくれて、強い内容で勝ってくれました。競馬に乗ってみて改めていい馬だなと思いました。

◎見事な差し切り勝ちの京王杯のレースをスタートから振り返って頂けますか?
ゲートがゆっくりした馬なので、あまり速いスタートを切れない分、あの位置取りになってしまいますし、(この馬には)距離が短かったので前半はリズムを取るのに時間がかかってしまったのですが、それでも上手に対応してくれて道中はいい雰囲気で競馬を組み立ててくれました。4コーナーの手応えは抜群に良かったですし、追い出すタイミング、抜け出すタイミングに気をつけるだけでしたね。

◎最後の脚は上がり32秒台前半の時計でした。乗っていての感触はいかがでしたか?
時計的なものは他の馬たちも速かったでしょうから・・・。それにしてもあの位置からあれだけ楽に差し切ってくれるわけですし、本当に素晴らしい脚を持っている馬だと思いました。

◎今朝の調教ではどんな指示がありましたか?
様子を見ながら必要と思ったらやっておいてくれということでした。凄くいい雰囲気で追い切りを終えることができたので、それが何よりかなと思います。

◎楽な感じで内側から抜け出てきた印象でしたが?
レース間隔も詰まっていますし、目一杯やるというよりはもう一度息を整え直すというイメージで乗りました。

◎今回は東京競馬場の1600メートル戦ですが?
もちろん、1400よりは1600メートルの方がこの馬にとってはレースがしやすくなるのは間違いないと思っていますから、より流れに乗りやすいだろうと思っています。

◎どんなレースを今回は思い描いていますか?
何よりも自分のリズムで走れればと思いますし、急かしても前々で競馬のできる馬ではないですから、リズムよく脚を溜められるレースができればと思っています。

◎川田騎手にとっては連覇のかかる安田記念ですが?
そうですね。去年は素晴らしい馬に乗せて頂いて、モーリスはその後さらに素晴らしい成績を挙げていますから。そこにチャレンジできますし、僕は連覇というよりは素晴らしい馬たち、リアルスティールなども含めて、そこにチャレンジする機会を頂いたので全力でぶつかって行きたいと思っています。

◎最後に期待のほどをもう一言お願いします。
前回のレースは本当にいい内容で走れましたし、1600メートルに距離が延びるということは(サトノアラジンに)プラスになることは間違いないですし、自信を持って強い馬たちに立ち向かって行きたいと思います。何とか一番いい結果を得られるように当日はいい競馬ができればと思っています。

(取材:佐藤泉)

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