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15日(日)に東京競馬場で行われる第11回ヴィクトリアマイル(GI)に登録をしているショウナンパンドラ(牝5、栗東・高野友和厩舎)について、追い切り後の高野友和調教師と池添謙一騎手のコメントは以下の通り。

・高野友和調教師
(前走の大阪杯3着を振り返って)
「ここを叩いて次はもっと良くなるという仕上がりだったのは事実です。しかし、当然勝ちにも行きました。展開的にも、あのメンバーの中では比較的スローに流れて、展開も落ち着いて、前に行った強い馬2頭のレースになりました。3コーナーでは、勝つには厳しいかなという感じで見ていました。ゴール前はさすがに脚色が同じになりましたが、追い上げていく様子は、前哨戦としては十二分の走りだったかなと捉えています。
(+14キロだったことについて)去年の秋があの体重で結果が出ていたので、どうなのかという話もあります。しかし、当然休み明けですし、よく食べてよく調教しての体重でしたから、この体重で走れるだろうなという感じはしていました。
(勝った)ジャパンカップは古馬混合のGIなので、(前走で)+2キロ背負うのは分かっていました。ハンデを背負ってのレースでしたから、その中であそこまでやれたというのは、今後に向けて良かったのではないでしょうか」

(去年と同じローテーション)
「ローテーションが同じですが、経緯が違います。去年はヴィクトリアマイルを春の最大目標に置いていました。今年は宝塚記念を春の最大目標に置いています。去年の経験を踏まえて、中5週-中5週のこのローテーションが非常に調整しやすかったのです。この馬の成績や様子をずっと見ていると、秋華賞であったり、去年の宝塚記念やジャパンカップであったりが(休み明け)3戦目ですから、3戦目にピークを持っていきたいと。その前に2戦を挟むと。その場合どうするのかという時に、間隔でいって同斤量で出られるのがここだなという感じで選んでいます。
大阪杯に関する出来は去年より良かったというのが私の認識です。しかし、馬場が違ったし、馬がまだ本当に力を付ききる前の段階でした。力を付けた今回とはやはりレース後のダメージが違いました。ましてや、去年の大阪杯はあれだけの不良馬場で走れなかったというレースなので、けっこう疲労が残りました。ですから、去年は中5週でヴィクトリアマイルに臨むにあたっても、少し疲労を取ってからの上昇に相当時間がかかりました。調教もコンマ何秒かの微妙なさじ加減までうちでやりたいと思っていたので、結局、浜中騎手を乗せずに、細かい所までうちでやらざるをえない状況が去年でした。今年は、叩いた後で上昇しかなかったです。乗り出しも早くできましたし、ジョッキーにもきっちり1週前、2週前と乗せていました。思った通りの調整ができています」

(前走後の調整について)
「体は十分ボリュームがありましたし、きっちりと負荷をかけられる状態でした。特に2週前は動く馬を用意して、けっこう負荷をかけました。1週前は、抜け出してもいいよ、終いまできっちりやって下さいという感じで、しっかりやれています。その後の経過も良かったです。本当に順調に来られています」

(最終追い切りについて)
「今日は体も良かったので、やりすぎなければいいなという感じではいました。乗り手には、大まかなラップは指示しましたが、感触で無理をしないように、リズム良く、ただ最後の1ハロンは少し反応を出してほしいと伝えました。その通り、乗り手も上手く乗ってきたし、あの馬のフットワークも本来の動きになっていて、仕上がった実感があります。キレのあるトモの踏み込みなど全身をよく使うというところです。
ここを使って、次は絶対さらに良くなるなという感触を持っているのは確かです。しかし、現時点での良い状況にはなったと思います」

(マイルについては?)
「マイルは基本的にこの馬の本来の距離ではないと思います。ゲートを出てからそれほどダッシュを自分でつけられる馬ではないですし、エンジンがかかってくるのも遅めの馬です。力があるのは当然分かっているのですが、このレースを勝つという目的で捉えると、ひと工夫必要かなと感じます。適性ではない舞台を、馬の能力とジョッキーの技量に委ねなければいけないというレースだと思います。
例えば、後ろで悠長に構えていても、マイルが得意なスピード馬がいるはずです。そういう点もふまえて、ジョッキーとは作戦を練りたいです。追い切りが終わった後ジョッキーと話しました。"私や厩舎のニュアンスとしては、当然宝塚記念でベストに持っていくためにここを使うのだけれど、ジョッキーはそんなこと考えなくていいから。このレースを勝ちにいく競馬をしてほしい"というリクエストはしました。
他の馬との兼ね合いもあるので、まだどこの枠が良いかは分かりません。常識的には内目の枠というのはあります。しかし、内目の枠だと囲まれて出て来られないこともあります。外目の方がのびのびと邪魔をされず走ってこられる可能性もあります。
ジャパンカップを勝たせてもらった馬としては、当然負けられないなという感じはあります。ただ、東京のマイルはこの馬の本当の舞台ではないので、どんと構えて何をしても負けないとは考えていません。GIホースを含めて他の馬たちもすごい能力ですから、強敵揃いです。こちらもきっちりとやっていかなければいけないと感じます。
去年とは立ち位置が違います。この馬の評価を落としたくないですし、馬券を買っていただける馬だと思うので、ジョッキーも含めて厩舎一同勝ちたいと思います。よろしくお願いします」


・池添謙一騎手
(前走の大阪杯3着を振り返って)
「もともとは有馬記念に行く予定でしたが、少しアクシデントがあって休養に入りました。普通の休み明けでの復帰戦ではなかったので、その辺は自分も特にどのような状態でレースに向かっているかに注意を払いながら大阪杯に挑みました。上手にレースをしてくれていましたし、前の展開になってしまいましたが、後ろからしっかりと良い脚を使ってくれました。復帰戦としては悪くなかったのではないでしょうか。
次がここと予定では決まっていたので、スタートはいつもより意識しながら出していきました。いつもよりはポジションが前目だったのかなと思いますし、そこでもしっかりと折り合いもついていました」

(追い切りを重ねての馬の気配は?)
「大阪杯が終わってからも順調に来てくれているみたいです。2週前と1週前にジョッキーが乗るというのは、いつも厩舎で決めていることです。順調にこなしてくれましたし、今日に関しても映像を見て、担当の助手の話を聞いたら、しっかりとストライドが伸びていましたし、良い感じですと言っていました。このまま本番を迎えてくれれば良いかなと思います」

(パワーアップした部分は?)
「去年の秋以降、すごく充実してくれていました。力のある馬なので、それがしっかりと維持できていればと思います。良い感じで来ていると思います」

(今回のレースに向けて)
「(去年以来のマイル)そこが一番(のポイント)だと思います。
また中距離とは違って、マイルの流れというのは全然違います。その辺のペースの対応は私も気を付ける部分はありますが、パンドラ自身の能力と力で補っていかなければいけない部分だと思います。
週末も馬場状態が良ければ力を出せる状態だと思いますし、あとは私がしっかりと乗るだけです。
(ここまで春のGIで)2着に負けたのは、騎手が下手だったという一言だと思います。2着が3回続いていますが、今回はショウナンパンドラですし、オーナーも厩舎スタッフも違いますから、また違う部分で(どうか)と思っています。しっかりと勝てるように乗りたいです。
牝馬同士のGIですし、ここは負けられない部分はあります。ヴィクトリアマイルと次に予定している宝塚記念と、2つ大事なレースが続きます。しっかりと結果を出せるように頑張りたいです」

(取材:米田元気)

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