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 この季節としては生暖かい風が吹いた昨日とはうってかわってヒンヤリとした朝を迎えた栗東トレーニングセンター。時折雨が落ちる不安定な気候の中、皐月賞へ向けて各馬の最終的な調整が行われた。
いつもなら真っ先に坂路コースに登場するはずのグァンチャーレの姿がないのが不思議だったが、後に挫石のために出走を回避するとの話が伝わってきた。アダムスブリッジも回避濃厚。出走馬は1979年以来の少頭数15頭になりそうだ。

 有力馬の中で最初に調整を終えたのはキタサンブラック。先週から1時間早まり6時開場となったウッドチップコースに登場。大きく先行する同じ厩舎の2頭を目標に最後は並びかけてのフィニッシュ。好調ぶりを示した。

調教後の記者会見での関係者とのやりとりは以下のとおり。

●キタサンブラック
(浜中俊騎手)

◎今回、無敗のキタサンブラックに騎乗することになりましたが?
無敗でGIに向かうような馬に急遽騎乗依頼を頂いて光栄に思います。キャリアに傷をつけないようにしっかり乗りたいと思います。

◎初めに持っていたイメージと実際に乗ってみての感触はどう違いましたか?
乗り易そうなイメージがありましたし、(前回まで騎乗の)北村宏司さんから「乗り易い」というイメージを聞いていましたので実際に乗ってイメージと同じ感触をつかめました。

◎そのほかにいい所などは?
大きな馬なので体がまだ緩いという印象はありましたが、落ち着きがあって精神的に強い馬だという確認もできました。それが操縦性の高い要因なのだなと思っています。

◎先ほどの調整ですが、余力十分な形で前の馬を交わした感じに見えましたが?
3頭併せで前を行く2頭に並んで馬の反応だけ確認して欲しいということでした。先週、比較的強めの調教をしましたので今日は馬の様子をうかがいながら、余力を残した調整でした。先週よりも今日の方が動きもスムーズで馬の集中力も高いレベルにあるので、安心してレースに臨めると思います。

◎中山の2000メートルについてはいかがですか?
トリッキーなコースですし器用さが要求される難しいレースになると思いますが、キタサンブラックのレースを見ていると前回も中山でいいレースをしていますので、不安なくレースができると思います。

◎あとは枠順でしょうか?
あまり気にはしていませんが、あまり外過ぎない枠ならいいと思います。

◎ライバル関係をイメージするところはありますか?
他にも無敗の馬もいますし、トライアルから他に強い馬も出てきていますから。キタサンブラックの2着だったリアルスティールも強い馬ですし、本番でまたいい結果を得られれば・・・と思います。非常に高いレベルの馬の揃ったレースだと思います。

◎今回はマークもきつくなるかもしれませんが?
マークも当然今まで以上にきつくなると思いますが、キタサンブラックを信頼していいレースができれば・・・という気持ちしか今はないですね。

◎改めて皐月賞へ向かう抱負をお願いします。
もともと僕は皐月賞に騎乗予定はなかったので、こういう形で皐月賞に出られるようになったわけですから、オーナーや関係者にはいい結果を出して依頼に応えられればと思っていますし、連勝を伸ばしていけるようないいレースができればと思っています。

(清水久詞調教師)

◎スプリングステークスはリアルスティールの追撃を振り切っての勝利でした。レースを振り返ってください。
期待以上の内容でしたね。状態は良かったので自信を持って送り出しましたが、あの(強い)メンバーでしたので・・・。

◎レースの流れはイメージ通りでしたか?
ああいう流れになればいいなと思っていましたので1コーナーで「ヨシ!」と思いましたね。1頭前に行ってくれましたので、一番「こういう競馬になって欲しい」と思っていた結果になりましたね。

◎新馬戦では追い込んで勝ちましたが、今は前に行ってのレースが理想でしょうか?
(デビュー前の)追い切りのイメージでは後ろから追い込んでのイメージだったのですが、2回めからは想像以上にいい位置でレースができましたので、ひっかかる馬ではないのでどんなレースでもできると思っていますけどね。

◎今回も、前回、前々回のような形(先行)でレースが運べるのが理想でしょうか?
今回は1コーナーまでさらに距離がありますから。ゲートを上手く出て、あとはジョッキーに任せます。

◎浜中騎手には何か指示はなさっていますか?
特に細かいことは言っていません。競馬を見てだいたいわかっていると思いますし、調教でも2回乗って掴んでくれていると思いますので。素直な馬で乗り手の指示を素直に聞いてくれますので心配はしてないですね。

◎先週のウッドチップコースでの動きはいかがでしたか?
ジョッキーも初めての騎乗でしたので「感触を掴んでください」ということで、いつものように前に馬を置いてそれを交わしてという形で予定どおりでした。

◎先ほどの調整は3頭でウッドチップコースでのものでしたが。
前の馬を交わしてその反応だけ見てくださいという指示で反応が悪ければ気合を付けて欲しいということでした。馬場が悪い中でいい時計でしたし、いい動きだったと思いますよ。何も心配事はないですね。

◎ここまでの成長はどう感じていますか?
まだ新馬戦から数ヶ月ですのでガラッと大きくは変わっていませんが、一回使うごとに競馬を覚えてくれていますし、あとは無事にということですね。

◎ライバル関係を意識されるところはありますか?
いえ、メンバーはさらに強くなりますが、これだけの舞台に参戦できるわけですから悔いのないように仕上げて相手関係は気にせずにその雰囲気を味わいたいと思います。

◎最初から惚れ込んでいた馬ですか?
入厩が遅くなったのでまさかここまでとは考えてなかったのですが、デビューに向けてたちあげて行く中でいい動きはしてくれていましたので、デビュー前から楽しみにしていましたね。

◎やはりクラシックレースへの思いはいろいろありますか?
僕も先週の桜花賞で初めてクラシックに馬を送って、開業6年目で初めて夢が叶ったので。今回は人気になる馬で参戦できるのはともても光栄ですし、無事に競馬当日を迎えたいですね。

◎調教助手時代にはファレノプシスでクラシックレースを経験されましたが。
それは毎年この季節になると思い出しますね。今年は緊張感がないと言えば嘘になりますが、その緊張感をバネにしていい結果を出したいですね。

◎北島三郎オーナーから声援も飛んでいるかと思いますが。
たまに連絡を頂いています。特にプレッシャーをかけられることはありませんが。

◎皐月賞への抱負をお願いします。
いろいろ関係者の方にはお世話になりっぱなしで有難い思いですので、あとは日曜まで無事に送るだけですね。当日は楽しんで来たいと思います。


(取材:佐藤泉)

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