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 木々の葉が美しく色づいてきた。紅葉の季節となった栗東トレーニングセンター。予想外の雨が降ったが傘が必要なほどではなく、調教開始の7時を過ぎた頃にはほぼ雨は上がった状態。気温12度。この時期としては寒さはあまり感じない朝だった。

 7時の馬場開場からしばらくして坂路コースに入ったショウナンパンドラは軽く流す形でコースを登り、しばらく間隔を置いた2度目のトレーニングで800メートルを53秒台を計時、最後もいい形で軽快に駆け抜けた。
調教後の関係者への共同インタビューの内容は以下のとおり。

●ショウナンパンドラ(浜中俊騎手)

◎GIホースとなった前回のレースを振り返ってください。
競馬がうまく行きまして、馬の状態も良くいい結果が得られて良かったです。

◎最後は凄い瞬発力でしたね。
馬も成長して力を付けていましたから、そういう結果になったのだと思います。

◎この馬にはデビューから4回乗って、その後7ヶ月経っての秋華賞でした。以前と変わったところはありましたか?
気性的にイライラする面がありましたが落ち着きが出てその分競馬でリラックスして。精神的な成長が大きかったと思います。

◎能力面は春から感じていたわけですね。
もともと期待は大きかった馬です。

◎今回は古馬が相手となりますが。
強い古馬と初めて戦いますので胸を借りる立場で臨みたいです。

◎今年の3歳牝馬のレベルはどう考えていますか?
ハープスター、ヌーボレコルト、他にも強い馬たちが沢山いますし、レベルの高い世代だと思います。

◎京都競馬場の2200メートル、外回りコースについてはいかがですか?
リズム良く、気分良く走ってもらいたいコースだと思います。

◎外回りで直線が長くなる点はどうでしょう?
長くいい脚を使うのがこの馬のいいところなので、外回りは魅力的だと思います。

◎坂の上り下りはどうでしょう?
気性的に成長しているので上手に走ってくれると思います。

◎レースのポイントになるのはどのあたりでしょう?
まず、折り合いが大事だと思います。それから坂の上り下りがありますので、リズム良く直線に向きたいですね。

◎先週からBコースに変わっていますが乗っていて変化はありますか?
大きな変化はないと思います。とてもいいコンディションだと思います。

◎応援しているファンの皆さんへひとことお願いします。
前回GIを勝って勢いを付けて臨めるのが一番の強みだと思いますし、胸を借りる気持ちでいい結果を得られるよう頑張りたいと思っています。

●ショウナンパンドラ(高野友和調教師)

◎GIの味というのはいかがでしたか?
この世界で仕事をしていてGIホースというのは凄いというのは実感していましたから、自分の厩舎からそういう馬を出すことができて、今後GIホースとしての価値を高めることだとか、繁殖牝馬としての価値を考えれば戦績に傷をつけるわけにいかない。そうした責任をずしっと感じながら管理させていただいております。

◎表彰式の時にオーナーは凄く喜んでいましたが、高野調教師は冷静だったように見えましたが。
僕も内心は凄く喜んでいるんですけど、自分が勝ったという感触よりは結果を出すのが責任という仕事をしているので、そういう意味ではこうした凄い血統の馬を預けていただいて一つの責任を果たすことができたなと。どちらかというとホッとしたという感じでしたね。

◎GIホースとしての肩書きを持ってのエリザベス女王杯となりますが、前回のレースの後はどうだったでしょうか?
やはりGIを勝つほどの走りをしてきましたので、いつものレースの後よりは「走ってきたな」という感じで馬が過ごしていましたので、慎重に判断しようと思ってやってきたのですが、本当の疲れがどれだけ残っているのか慎重に見極めようと思っていましたけれど、いつもより乗り出しはゆっくりしていましたが、一歩ずつ進めて行ったら馬が大丈夫と応えてくれていたので、次の競馬に向けて「行ける」という感じでしたけれども。

◎そして調教を積んで、今日は坂路を2本ということでしたが。
このレースを使うのであれば先週キッチリやれたらいいなという感じだったんですが、馬が大丈夫という感じでしたから先週は調教で動く馬と併せて負荷をかけました。負荷をかける作業はそこで完了したと思いましたので、今週は調整程度でいいかと思っていたんですけれど、乗り手にも時計よりリズム良くしっかりハミを感じながらという指示を出したんですが、僕の思っていたよりは少々速くなったのですが、無理もしてないですしリズム良く走ったのでいい追い切りだったと思います。

◎十分納得できる内容で今回は臨むことができますか?
現状維持でいいかなと思っていたんですが、むしろ状態は上がったという実感がありますので自身を持って競馬に臨める態勢は整ったかなと思います。

◎秋華賞より上のデキと考えていいですか?
と、僕は今日思いました。以前に松田国英先生のところに居た時にそこで管理されてた凄い馬たちが使うごとに強くなっていったんですけど、この馬にも同様な面を感じますのでよりいい状況になっているなと感じます。

◎古馬への挑戦となりますが。
やはり古馬はいろんな修羅場を潜り抜けてここにたどり着いてますんでいろんな経験をしていますし強いと思いますしね、その経験豊富なメンバーにぶつかっていければと思っていますが、斤量の恩恵もありますしね。調子はおかげさまで絶好になりましたのでいい勝負ができるんじゃないかなと思います。

◎秋華賞では抜群の切れ味を見せてくれました。今回は直線も長く坂越えもあります。そのあありはどうでしょうか?
この馬は基本的な能力が高いので坂とか直線の長さとか外回りコースでも仮にこれが小回りコースであっても道悪でも不問だと思います。これまでゲートがひとつの課題だったんですけどそれが出るようになって馬群の中でも我慢できるし、ジョッキーの意のままに動ける馬なので与えられた条件でいつでもキッチリ走れると思います。後は他の馬との力関係なのかなと思います。

◎デビュー直後から期待された馬ですが、素質が開花したのは夏以降でした。本格化が近付いてきたのかなということですか?
見た目で何が変わったのかといえば食べることに関する意欲ですね。今は食べることに対する意欲が凄くてとにかく食べますので、食べてトレーニングしてしっかりしてというのはスポーツ選手の基本ですから、その点については助かってます。

◎成長段階の一番いい時期を迎えているということになりますか?
順調に行くのが難しい世界なんですけど、順調でかつ状態も上がっていますし、おかげさまでここまではいい感じで来ているなという感触です。

◎ファンの皆さんにひとことお願いします。
今日の追い切りまでは順調に来れました。あとは僕たちの仕事はゲートでジョッキーに渡すまでしっかり管理することですが、そこさえクリアできればファンの皆さんに応えられる態勢にあると思います。


(取材:佐藤泉)

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