お知らせ:

競馬実況web

10月17日(日)に阪神競馬場で行われる秋華賞(GI)に出走予定のアンドヴァラナウト(牝3、栗東・池添学厩舎)について、共同会見の福永祐一騎手のコメントは以下の通り。

「(前走は)良いレースをしてくれましたね。こちらの期待以上でした。(初のコーナー4つの競馬にも)上手く対応してくれましたね。それまではコーナー2つのコースでしか走ったことがなかったので、コーナー4つの形態で脚を溜めるには良いフォームで走らないといけない、という課題がありました。元々、高い能力、素質を感じていた馬ですが、まだ走り方が粗削りなところがあって、初戦から良いフォームになっていけるように意識しながら競馬をしていました。(前走の)道中はこちらが思っていた以上に上手に走ってくれました。この馬に限らず、最初からすべて出来る馬はそういるものではないですから、それぞれ個々に合わせた修正点は存在していて、あの馬に関しては頭の高いフォームはまだそのままですが、その中でどういった脚を溜めて、最後の直線まで温存して、力を発揮することが出来ないと競馬で勝つことは難しいですから、そういった意味ではコーナー4つの2000メートルであのような走りが出来たというのは、こちらが思っていた以上にうまく対応してくれました。あの馬のセンスの高さを感じた一戦でした。

(前走後は)在厩で調整するということで、普段の追い切りに跨ったことがない馬で、GIだからといって自分が跨った方が良いとは思わなかったので、ずっと厩舎に任せていました。在厩で調整するということで一番難しい点はオーバーワークにならないか、ということだったと思うんですけど、先ほど調教師の話にもありましたように非常に上手く調整ができたということなので、乗り手としては何の不安もなく最後のバトンを受け取れるので、あとはしっかりと良い結果を出せるよう導いていきたいなと思います。

(今年は秋華賞が阪神で行われる、という質問に)そこですよね、そこが例年と一番違う部分なので、もちろん傾向や今までのデータが意味を成さなくなる可能性があるので、その辺りはしっかりと見極めながら当日の馬場コンディションを踏まえて、あとは当然当たった枠と並びによって競馬は変わりますから、しっかりと勝つための算段を練っていきたいと思います。

(右回りは)問題ないと思います。回りによってバランスが変わる馬ではないですしね。

能力がある馬ではありますが、フィジカル、メンタルともに幼い、粗削りなところがあって成長の余地を残しています。フィジカル面に関しては春先から大きな変化があるわけではないですし、これから精神面の安定とともに馬体重が増えていったら良いなと思います。生き物なのでそれがいつかは分からないですが、成長の余地は感じます。この2戦、特に前走で大きな成長を感じたのは精神的なところで、元々気性が勝っている、入れ込みやすい馬ですが慣れてきて、飼葉食いが安定して、精神面も安定したところがあるでしょうし、馬自身が競馬を分かってきたのが一番大きいですね。その成長を感じました。3走前に逃げる競馬をしてるんですが、あの選択をしたことによって、この馬の成長を妨げる要因になるんじゃないかと懸念していたんですが、一番大きな一戦と言えるのは2走前ですね。あの一戦で逃げずに馬に我慢させて勝つことができたのが、前走の上手な立ち回りにつながったと思いますし、1600メートルで逃げた後に2000メートルにチャレンジするのは難しい選択だったと思うんですけど、その選択をした陣営の判断は、あの勝ち方を見ると素晴らしかったと思いますね。

他の人が乗っていたらどうなっていたか検証できるものではないので、一概に(継続騎乗が)良いことなのか悪いことなのか分かりませんが、自分としては継続して乗せてもらっている以上、その馬が競走馬として大成してほしい、能力を発揮できる競走馬になってほしい、という思いで取り組んでいます。アンドヴァラナウトに関しては初戦からずっと継続騎乗で乗せてもらっていて、ずっと勝ってきているわけではなく、負けたレースもあるわけで、そういったレースでしかわかり得ない今後に向けての修正点もありますので、調教師であったり牧場にフィードバックして、同じ過ちを繰り返さないようにしていくことが馬にとっては一番良いことだと思います。そういう意味では厩舎、牧場ともに連携が取れていますから、自分が思ったよりも早く重賞を獲れたところに繋がっているんじゃないかなと思います。

相手はさらに強くなりますし、春のGI馬2頭ともまだ対戦していないので、難しい挑戦になると思いますが、春の桜花賞馬、オークス馬とは違う武器を持った馬だと思いますから、それをどう活かしていけるか、現状の完成度ではまだ劣っていると思いますが、競馬というのはいろんな要素が重なり合って、結果は10回やれば10回同じになるレースもならないレースもありますから、与えられた条件下で自分の馬が一番良い着順を獲れるように、そこは枠が当たってからですね。アンドヴァラナウトが持っている特性を活かしていければと思います。(特性は)一瞬のキレですね。反応の良さがあります。前走は完璧なレースをして勝つことが出来ましたが、GIを勝つにあたっても完璧なレースが求められると思います。あとは相対的に1着を目指す競技なので相手関係がありますが、ベストな走りができないと、というところはありますから、まずはそこに専念したいと思っています。

スプリンターズSもこちらが期待した以上の走りをしてくれて勝つことが出来ましたが、競走馬はそういったこちらが思った以上の成長を見せてくれることがあって、それが楽しいところでもありますし、逆もありますが、(この馬に関しては)継続騎乗している強みがあります。GIIを勝ちましたのでGIチャレンジ、という運びになりましたが、あくまでもレースの中で試して習得していかなければいけないものはあるんですが、自分のスタンスとしてはことGIに関しては、そういう試す場にしない、というポリシーがありますので、GIに関しては特に1着をどう獲れるか、というのを最優先にしたいと思っています」

(取材:山本直)

お知らせ

お知らせ一覧