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 JRAでは今日7日(火)、「2013年度JRA賞馬事文化賞選考委員会」が開かれ、梅崎晴光氏の「消えた琉球競馬」が馬事文化賞に選ばれた。
梅崎晴光氏は1962年、東京都生まれ。早稲田大学を卒業し、スポーツニッポン新聞社に入社。1988年にレース部、競馬担当となった。
受賞作「消えた琉球競馬」は、琉球競馬「ンマハラシー」の歴史と実態を、克明に再現し貴重な記録とした実話。琉球文化に関心を持つ著者が、速さを競うのではなく、足並みの美しさを競った琉球競馬で頂点に君臨した名馬「ヒコーキ」の蹄跡を求めて、沖縄各地の馬場跡を歩くなど琉球競馬の歴史を明らかにしようとする渾身の作品。
宮古馬を中心とした沖縄在来馬が、見事な模様の施された胴着と袴を身につけた騎手を背に、2頭ずつ200メートル程の走路を側対歩という特殊な歩法で駆け抜ける琉球競馬。「消えた琉球競馬」では、もっぱらスピードではなく、動きの優雅さを競うという他に例を見ない琉球競馬において、無類の実力を誇った名馬「ヒコーキ」の足跡を追う。そのなかで、琉球競馬の歴史を可能な限り克明に再現した貴重な記録であるという点が、今回の受賞につながった。

 賞の選考にあたっては、一昨年11月から昨年10月末までの1年間に出版・制作等された馬・馬事に関する文化作品について、内容を個々に検討し、昨年12月の第1回選考委員会を経て、今回の第2回選考委員会に諮られた。

<受賞者・梅崎晴光氏のコメント>
「琉球王朝の時代から沖縄戦の直前まで、およそ400年にわたって連綿と受け継がれてきた琉球競馬。速さだけでなく、美しさを競った世界に類のない競走スタイルは、美の価値をことさら重んじる琉球の精神性が生み出したものだと考えています。琉歌、舞踊から染織、金工、漆芸、陶芸、建築にいたるまで比類なき美を発展させた琉球の馬事文化です。だからこそ、艱難辛苦の歴史の波に翻弄されながらもウチナーンチュ(沖縄の人々)を熱狂させてきたのでしょう。身に余る賞を賜ることができたのは、一競馬記者の力でもなければ、運の強さからでもありません。琉球文化の力が引き出した幸運です。
調査・取材の過程では、たくさんの不思議な出会いがありました。しかも、この本の発行とほぼ同時期に、琉球競馬が70年ぶりに復活したのです。偶然にしては出来すぎです。歴史に埋もれていた琉球文化の磁力のようなものが働いているのではないか。そんな思いさえ抱いております。
『癒しの島』として年間600万人前後の日本人観光客が訪れる沖縄県ですが、日本に癒されたことがほとんどありません。癒しの一方通行。琉球競馬は『ンマハラシー』(沖縄言葉で競馬の意味)の名で今年3月2日にも沖縄こどもの国(沖縄市)で開催される予定です。是非、ご覧いただきたいと願っています。
皆様のお力添えを賜れば、馬事文化で沖縄に少しだけ恩返しができます。」

(JRAの発表による)

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