4月4日(日)に阪神競馬場で行われる第65回大阪杯(GI)に出走予定のクレッシェンドラヴ(牡7歳、美浦・林厩舎)について、林徹調教師のコメントは以下の通り。
(前走の有馬記念を振り返って下さい)
「良い枠を引けましたし、ジョッキーも良い競馬をしてくれて、好位でうまく立ち回ってこの馬の本来の実力を発揮できる良いレースだったと思います」
(それから3ヶ月の中間の様子を教えてください)
「前走で現状の力は発揮できて良いレースだったとは思うのですが、高いポテンシャルがある反面、メンタルの部分でしたり、ハミ受けなどテクニカルな部分では、まだ課題のある馬だったので、前走を踏まえてGIでより良いレースをするためには、メンタルやテクニカルといった部分の課題に着手しないと行けないなと思いまして、今回はそこに主眼を置いて調整してきました。具体的にはこの中間で、しっかり馬の後ろで我慢をする、といったことなどを乗り手の方が教えていきました。思っていた以上に効果が出て、1週前追い切りの時点で内田騎手からも、『随分おさまるようになったし、我慢できるようになったね』と高い評価をいただくことができました」
(ウッドチップコースでの最終追い切りの狙いは?)
「これまではどうしても自己主張の激しい馬なのでなるべく同じパターンで行っていたのですが、有馬記念を見る限りGIレースへ使うとなると調教を改善しないといけないと考え、2週前追い切りは追走して外から併せに行くパターン、1週前追い切りは追走して内から併せにいくパターン、そして今週は初めてとなる先頭を走らせ他馬が内から併せにくるパターンの調教を行いました。精神的に成長してきたのでそれを活かすためにも、色々なパターンを経験させることで、レースでもどのような競馬もできるようにと思い、そのように調整しました。(今朝の追い切りを見ていると)メンタル面、テクニカル面の改善がフィジカル面の改善にもつながっているのではないかと思うぐらい、本当に素晴らしい動きでしたので、7歳になってもこれだけの動きが出来るというクレッシェンドラヴとそれを教えてくれた乗り手に感謝しています」
(阪神の内回り2000mという舞台についてはいかがでしょう?)
「右回りの2000mというのは、重賞を2つ勝っていますし、条件的に良いなと思います。また阪神コースということに関しては、恥ずかしながら管理馬を芝コースで走らせたことがないので、その辺りは心強いパートナーである内田騎手にお任せできたらと思います」
(週末の雨はこの馬にとってはプラスでしょうか?)
「そうですね、先ほど内田騎手とも話したのですが、(雨が)降れば降るほど良いので、なんとか少しでも湿って、時計のかかる馬場になってくれたらと思います」
(クレッシェンドラヴは、林厩舎にとってとても大切だと思いますが、改めてどんな存在でしょうか?)
「私にとって(の馬)というよりも、開業当初に預けていただいた時からオーナーサイドの期待が高かった馬なので、一定の結果を残せたことにホッとしつつも、まだまだ期待に応えなければなと思いますし、もっともっとオーナーに喜んでもらいたい、というのが私の思っていることです」
(となると、やはりGIタイトルが欲しいですよね?)
「そうですね。これまではどちらかと言うと馬のポテンシャル頼りと言いますか、フィジカル面のポテンシャルが高い馬だったので、とにかく事故なく無事に使うということに主眼を置いてましたが、GIとなるとそれだけでは足りないので、今回新たな取り組みもしました。これまで大事に使ってきたこともあって幸い馬がしっかりとそれに応えてくれているので、後は結果が出てくれれば、こんなに嬉しいことはないですね」
(最後にファンの方へメッセージをお願いします)
「まだまだ私の実績はないですし、馬の方もGI実績はまだないですが、本当にここまで手をかければ必ず応えてくれると信じてやってきましたし、今回もそういう意識で改善できるところは改善するつもりでやってきました。まだまだ馬は若いですし、これからも頑張りますので、応援よろしくお願いします」
(取材:小屋敷彰吾)