あの日、あの瞬間で人生は変わっていたのに...。 [実況アナ!]
2017/03/22(水) 16:18
 万馬券を愛する皆さん、気象庁は21日、東京都心で桜(ソメイヨシノ)が開花したと発表しました。平年より5日早く、去年と同じ日でした。ついに桜が咲き、いよいよ春本番です。先月2月は万馬券という素晴らしい花々と出会うことが出来ましたか?ここで2月に誕生した主な万馬券を振り返ります。1月の100万オーバーとなった万馬券と3連単の実況担当者は以下の通りです。

2月 4日(土)東京・ 6レース 3連単 184万4610円(実況担当・山本直也)
2月 4日(土)京都・12レース 3連単 205万3280円(実況担当・佐藤)
2月 5日(日)東京・春菜賞   3連単 135万4500円(実況担当・山本直也)
2月12日(日)京都・12レース 3連単 229万5280円(実況担当・檜川)
2月13日(月)小倉・ 1レース 3連単 130万4400円(実況担当・佐藤)
2月13日(月)小倉・ 7レース 3連単 204万5400円(実況担当・小林)
2月18日(土)東京・ 7レース 3連単 180万8360円(実況担当・大関)
2月19日(日)京都・12レース 3連単 116万170円 (実況担当・山本直也)
2月26日(日)小倉・ 4レース 3連単 557万370円 (実況担当・山本直也)
2月26日(日)阪神・阪急杯   3連単 248万3180円(実況担当・中野)

★2月 5日(日) きさらぎ賞&東京新聞杯
 東京 9R(4番人気)・10R(16番人気)・11R(3番人気)...山本直也アナ
 京都 10R(3番人気)・11R(6番人気)          ...中野アナ
<払戻金> 7402万2700円

★2月12日(日) 京都記念&共同通信杯
 東京 10R(2番人気)・11R(2番人気)          ...中野アナ
 京都 10R(3番人気)・11R(3番人気)          ...檜川アナ
 小倉 11R(6番人気)                     ...佐藤アナ
<払戻金> 36万5970円

★2月19日(日) 小倉大賞典&フェブラリーS
 東京 10R(1番人気)・11R(2番人気)          ...舩山アナ
 京都 10R(5番人気)・11R(6番人気)          ...山本直也アナ
 小倉 11R(4番人気)                    ...小塚アナ
<払戻金> 398万6970円

★2月26日(日) 阪急杯&中山記念
 中山 10R(3番人気)・11R(3番人気)          ...小林アナ
 阪神 10R(4番人気)・11R(7番人気)          ...中野アナ
 小倉 11R(1番人気)                    ...檜川アナ
<払戻金> 572万3200円

 まず2月の月間MVPです。2月は10の100万オーバーの万馬券が誕生しました。なかなかだと思います。その中で山本直也アナは、2月の最高配当である557万370円となったレースを含む4つもの100万オーバーのレースを実況しました。選考委員会でも高く評価され、堂々の月間MVPです。

 続いてリーディングです。首位は私小林です。打率を下げましたが、8割4分6厘で1月に続いて首位の座をキープしています。しかし、3月に入ってスランプとなり...まぁ、それは次回にご紹介しましょう。2位は中野アナです。打率は8割2分1厘で、順位を1つ上げました。中野アナは『落雷』で名をはせていますが、このところ実況するとホントよく荒れるのです。昨年のリーディングアナウンサーは今年も好調です。3位は檜川アナです。檜川アナも順位を1つ上げました。打率は8割8厘です。この3人が8割穴ウンサーで、以下は7割9分6厘の小塚アナ、そして差がなく7割9分5厘で佐藤アナが続いています。

 一方、殿は舩山アナとなりました。ただ一人6割台(6割9分)という有様で、1月のブービーから転落してしまいました。舩山アナの奮起が待たれます。そしてブービーは大関アナです。7割1分2厘と低迷しています。あとは差がなく、山本直也アナが7割1分4厘となっています。

 さて、皆さん、先日3月5日の日曜日、私は114万馬券を取り損なってしまったのです。114万ですよ!

 あの日、私は阪神競馬場にいて、後半の実況担当だったので中継が始まっても放送席で一人のんびりとコーヒーを飲み、競馬新聞を読んでいました。モニターテレビには小倉の第1レースの出走馬がパドックを歩いている様子が映っていました。

 「小倉か。よく荒れているよなぁ」と思いつつ競馬新聞で小倉の第1レースの出走メンバーを見ました。「荒らすのはセオリーどおり人気薄の関東馬だよなぁ」と独り言を言っていた記憶があります。事実前日の土曜日の小倉は「こんな馬が?!」という人気のない関東馬が3着や2着に入って3連単が高配当になっていたのです。

 そこで中心はあくまでも関西馬にして、人気薄の関東馬を相手にした3連複を買おうと思いました。私は3番人気のクリノフウジンを中心にしました。騎乗する藤岡康太騎手とは相性がいいということもありました。フォーメーションの馬券で、相手としてまずここ2戦が6着のプエルタデルソルなどを選び、最後に人気薄の関東馬をチョイスしようと思いました。それでニシノリヒトに目が留まりました。前走11着で前々走は8着の馬でした。しかし、3走前は5着になっている馬で、「人気薄こその『ニシノの馬』だよな」と思い相手に加えることにしました。

 時計を見ると、もう発走3分前でした。阪神競馬場のラジオNIKKEIの放送席は、ドアを開けるとすぐ目の前が報道関係者専用の発売窓口なのです。発売締め切りを告げるベルが鳴ってからでも間に合うぐらいの近さなのです。私はマークカードを手にしましたが、結局買うのをやめてしまいました。そう、やめてしまったのです。買わなかったのです!

 その時、その瞬間、長年万馬券愛好家として取り組み、夢を追ってきた私は自ら夢を手放してしまったのです!「やっぱり朝イチからイレ込んで馬券を買ってもいいことはないよな。」と思ってしまったのです!その日は大好きな障害戦もありましたし、何よりも土曜日にヤラれていたので資金に余裕がなかったことが一番の理由でした。

 コーヒーを飲みながらレースを見ると、プエルタデルソルが勝ち、クリノフウジンが2着に入ったのが分かりました。そしてクリノフウジンのクビ差で3着になったのが「黄、紫三本輪、白袖」の勝負服の馬でした。「ん?ニシノリヒトか。これは荒れたなぁ。」と思いました。「ああ、買っておけば良かったなぁ。」とも思いましたが、いつものことです。買わないと思った通りの結果になる。本当に皮肉なものです。しかし、いつもと違ったのは払戻金でした。

 なんと3連単は856万9830円で、私が買おうと思ってマークカードをいったんは手にした3連複は、114万990円だったのです!頭が真っ白になり、危うくコーヒーカップを落としそうになりました。すぐには立てませんでした。しばらくしてヨロヨロとした足取りで最終オッズを調べると、ニシノリヒトはブービーの14番人気で、8番人気、3番人気、14番人気の3頭で114万もついたことが分かりました。「これはつき過ぎだろうぉぉぉぉぉ!」と私は一人で叫んでいました。他のアナウンサーは実況や司会をしていて何事もなかったように中継は進んでいました。

 あの時、あの瞬間の判断で私は人生を変えることが出来たのです。もしも気楽に「まぁ、運試しに買ってみるかな。」とマークカードを手に、締め切り直前に放送席のドアを開けて発売窓口へ行っていたら、私は長年追い求めてきた夢を、2000円もしない投資額でつかむことが出来たのです。

 3連単での100万オーバーの馬券はよく出ますが、3連複の100万馬券はなかなか出ないものです。あのレースは同時開催の第1レースで投票数が少なく、票が人気馬に偏っていたのだと思います。取れた馬券でした。手にすることが出来た夢でした。JRAのロゴマークが印刷された帯封を、札束を手にすることが出来たのです。あの時思いとどまらなければ...。