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3月11日の東北太平洋沖地震は大きな揺れと津波により甚大な被害をもたらした。
被災地ではまだ平常の生活にはほど遠い所が多い。

 地震直後から、何か被災地のためにできることがないかを考えていた。その中で浮かんだひとつのプランが全国へ広がるラジオNIKKEIの電波(短波)で被災地のラジオ局の放送をお届けすること。震災から2日後にはインターネットサイマルラジオradikoがエリア制限を解除し、ラジオNIKKEIの音声が全国にネット経由でも届くようにもなっていた。

 早速このアイディアを地震から3日後の月曜の朝に被災地で放送を続けるラジオ福島の懇意のプロデューサーにメールした。するとほんの2時間もしないうちに「上層部へOKは取りました。もしネットしていただけるのであれば、精一杯制作します」との返事。
 電話も満足に繋がらず、水道も止まったままのスタジオで放送を続ける相手がそこまで話を進めてくれているのなら、やるしかない。というわけでラジオNIKKEI社内の各セクションの協力を得てラジオ福島の震災特別番組のラジオNIKKEIでの同時放送が地震から4日後の火曜日から始まることとなった。

 この試みは様々なメディアに取り上げて頂いたが、リスナーへの周知がうまく行ったとはいえず、我々の力不足を痛感させられたが、少なくともやらないよりはマシだったとは思う。
 ラジオ福島と同じようにラジオNIKKEIの競馬中継をネットして頂いている新潟放送ラジオでは90年代に中越地震、中越沖地震と2度の大きな災害を経験している。その際も我々に何かできないかいろいろ考えはしたが、結局募金活動への協力すらできなかった。特に4年前の中越沖地震の時は何もできないことへの悔しさが募った。

 中越沖地震の際に被災地との交流を持った歌手KOKIAは、想いを込めて「私にできること」という曲を作った。私にできることは、今歌うこと。そう歌った。

 今回の震災の後、ボランティア活動を始めた人もいる。募金をした人もいる。でもしたくてもほとんど何もできないという思いを持ったが多いことだろう。今できることをすることが大切。どんなことでもやらないよりはマシだ。できなかったらその思いを持ち続けよう。思いを次に繋げることができたならそれで十分なのだろうと思う。

(佐藤泉)


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