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今年の阪神大賞典、直線の攻防は非常に見応えがあった。ホクトスルタン、アサクサキングスの先行2騎の競り合いに、離れた外からメイショウベルーガとジャミールが襲いかかり、その間から最後にトウカイトリックが差し切るという、まさに2転3転のゴール前。当日の阪神競馬場は、ゲストに元阪神タイガースの赤星さんが来場し、お昼から大変な盛り上がりを見せていたが、やはり主役の競馬が面白くなってこそである。あの大激戦、それに一杯に広がった青空もいいスパイスとなり、戦前のムードに比べると、非常に満足度の高い1日となったように思う。

勝ったトウカイトリックは、5年連続の出走。それも06年、ディープインパクトの2着を皮切りに、3着、4着、5着ときて、5度目の今年が悲願の1着。この勝利は、素直に称賛したいもの。春の天皇賞に照準を定めたローテーションを貫き続けた後のこの結果。昨年秋のカンパニーにも通じる勝利は、非常に価値の高いものだと思う。是非本番も頑張ってもらいたい。そしてそれは、今回敗れた馬達にも、同様な気持ちである。本番の天皇賞(春)での、素晴らしき再戦を期待したい。

最近、時のトップホースが長距離を嫌ってしまうことから、その価値が下がってしまった感のある長距離戦。しかし「長距離戦ほど、人も馬も、皆が鍛えられるものはありません。実戦でももちろんですけど、レースまでの過程で、“我慢”をはじめ、非常に多くのことを学べるのです。ですから、避けてはならない大切な舞台だと思います。ここを乗り越えてこそ、本当の一流馬、ホースマンになれるように僕は思うのです」と、以前栗東で、ある有力調教師が話してくれたことがあった。

確かに、考えてみると、ディープインパクトを持ちだすまでも無いが、ハーツクライもそこでは結果を出せなかったが、その後に国内、そして海外でも、素晴らし過ぎる結果を残したし、かつての名馬と言えば、やはり長距離戦を立派にこなして、歴史に名を残す存在となった馬が多かったように思う。

日本の長距離戦が、もう一度盛り上がりを見せたならば、何かが変わらないだろうか。最近、色々な意味で、そんなことを思ったりしている。


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