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JRAでは今日「2009年度JRA賞 馬事文化賞選考委員会」が開かれ、馬事文化賞には立川健治氏の「競馬の社会史1 文明開化に馬券は舞う―日本競馬の誕生」が、功労賞には写真家の今井壽惠氏(故人)が選ばれた。

 立川健治氏は1950年佐賀県生まれ、京都大学文学部卒。現在富山大学人文学部教授で専攻は日本近代史。
 今回の受賞作は、幕末から鹿鳴館時代の日本の近代を競馬を軸に振り返った歴史書であり、当時の日本社会の外交、スポーツ、賭博、博覧会などと競馬の関係が明らかにされている。
 洋式競馬は幕末から横浜で誕生した文明開化の一つとされ、やがて東京、神戸など各地に広がって、国際交流の舞台を兼ねた明治の華やかな競馬時代を現出する。
 その華麗な賑わいは、一つには日本が女性を主役とするような社交と共に生み出されたという興味深い指摘や、当時活躍した競走馬について丹念に紹介され、さらに豊富な当時の資料、写真や図版によってビジュアルに構成されている。

 選考については、昨年10月末までの約1年間に出版・企画・開催された馬に関する文化作品について、内容を個々に検討の上、昨年12月に行われた第1回選考委員会で最終候補として3点を選出し、今日の第2回選考委員会に諮られた。
 委員会では、受賞作は近代日本の競馬史を研究したものとしては画期的な作品であり、競馬史のみならず、競馬と社会の関わりについて丁寧かつ詳細に記述されている点が評価された。

 なお、受賞に至らなかったものの、「ジンガロ BATTUTA」、河村清明氏の著作「ミスター・ジャパンカップと呼ばれた男 異端の挑戦」も高い評価を得た。


●立川健治氏のコメント
「このような名誉ある賞をいただき、大変感謝しています。競馬史を勉強するようになって20年、まだ馬券歴35年には及びませんが、この賞を励みに、今後も競馬史の研究を続け、競馬学の進展に寄与していきたいと考えております」

(JRA発表による)


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