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いよいよJBCスプリント発走。4年ぶりにJBCが名古屋に帰ってきました。スタンドも人で埋まり、生ファンファーレで場内には大歓声!


JBCスプリント発走直前のスタンド



JBCのファンファーレは生演奏です

まずは9レースのJBCスプリント。レースは高知のポートジェネラルが先手を奪い、スーニが2番手、ビービーガルダンが3番手、リミットレスビッド、アドマイヤスバル、ノースダンデーが好位を形成。3コーナー過ぎでアドマイヤスバルが仕掛け始めて4コーナーで外から先頭に立つと、スーニも内から食い下がって直線はマッチレース。最後はスーニが内から盛り返して4分の3馬身差で勝ち、2つ目のJpnIタイトルを手にしました。2着アドマイヤスバル、そこから4馬身の差がついた3着がリミットレスビッドで、JRA勢が上位を独占。地方馬はノースダンデーの4着が最高。ビービーガルダンは3コーナーで遅れ始めて6着。やはりダートは合わなかったのか…。


レース後のスーニ。鮮やかな世代交代!


4着・5着は南関東勢。ビービーガルダンは6着…

<レース後の関係者のコメント>
1着 スーニ (川田将雅騎手)
「前回(東京盃)で久々に1200m戦を走ったのですが、そこで引っかからないように気をつけていたので、馬が我慢出来るようになっていました。それが今日は生きましたね。折り合いは大丈夫でしたし、我慢出来た事が一番です。3コーナーで早めに動く形になりましたが、よく頑張ってくれました。距離はマイルまでなら大丈夫だと思いますよ」

2着 アドマイヤスバル (勝浦正樹騎手)
「状態も良かったし、道中も良い感じで運べました。ただ、今は距離がもう少しあった方が勝てるチャンスは大きいんじゃないでしょうか」

3着 リミットレスビッド (福永祐一騎手)
「会心の騎乗でした。返し馬から良い感じだったし、行こうと思えば行けるくらいでした。引っ掛かる所もないし、全盛期なら突き抜けるくらいの手応えでいましたが、勝負所で前と離されてしまいました。でも10歳ですし、大した馬ですよ」

4着 ノースダンデー (左海誠二騎手)
「どちらかと言えば左回りの方が良いと思っていましたが、今日はよく頑張ってくれました。まだ上積みがありそうですよ」

6着 ビービーガルダン (安藤勝己騎手)
「体型は芝向きですが、フットワークの感じからダートもこなせると思っていました。ただ芝と違って手応えがありませんでしたね。これだけ負けてしまうとダートが合わなかったとしか…」


 スーニの快勝で、3歳世代の強さが改めて証明されたJBCスプリント。7歳世代が席巻していたダート界にもいよいよ3歳、4歳世代への「政権交代」の波が来たような気がしました。

 そしてメイン10レースはJBCクラシック。最大の注目はやはり、ヴァーミリアンが3連覇で初のGI(JpnI)8勝目を飾れるかどうか。ただ、小回りの名古屋。ヴァーミリアンが悠然と構えて他の馬が楽をさせてもらえるようなら、直線の短さを味方に何とか振り切れるんじゃないか?と考えていました(確か、去年園田でも同じことを考えていたような?)。よし、2着は外さないだろうけど、配当の妙味を期待して、ヴァーミリアン2着固定で行こう!


大関のJBCクラシック馬券。GI7勝の壁は高い…はず


コースへと向かうマルヨフェニックス、ウイニングウインド、メイショウトウコン


タガノシャンハイとヴァーミリアンもコースへ

再び生ファンファーレに大歓声が上がって、いよいよJBCクラシックがスタート。ヴァーミリアンが好スタートを切って逃げる構えを見せたときには、大きなどよめきが上がりました。しかしマコトスパルビエロが二の脚を利かせて先頭を奪い、ワンダースピードが2番手、ヴァーミリアンは3番手に控え、ブルーコンコルド、マルヨフェニックス、メイショウトウコンなどが追いかける展開。馬群が密集していて、ヴァーミリアンは外に出せないまま4コーナーから直線へ。マコトスパルビエロが粘り、ワンダースピードも徐々に差を詰めたのですが…。


JBCクラシック3連覇を飾ったヴァーミリアン。お見事!

やっぱり強い。3頭の競り合いを最内のヴァーミリアンがアタマ差制し、新記録のGI(JpnI)8勝目。同時に、2歳時から6年連続の重賞制覇も達成しました。
 2着マコトスパルビエロ、クビ差3着がワンダースピード。この3頭から4着までは8馬身差がつきました。メイショウトウコンが4着、マルヨフェニックスが地方馬最高の5着でした。

<レース後の関係者のコメント>
1着 ヴァーミリアン
(武豊騎手)
「スタートが良かったですし、名古屋競馬場のコースなのでハナを切っても良いと思っていました。今日は外に出られませんでしたが、内が開いた時に、一気に入れましたね。3連覇を達成できましたが、今が一番良いくらいです。使えるレースが限られているので、今日は狙っていましたよ」

(石坂正調教師)
「手応えは充分でしたが向正面で外に出せず、『まずいな』と思っていました。しかし、内から差し切ってくれたのはヴァーミリアンの力でしょう。よくかわしてくれましたね。3連覇するなんてやはり凄い馬です。7歳になって落ち着きが出ていますし、衰えもありません。この後はジャパンカップダートへ向かいます。(その先について質問を受けて)私はヴァーミリアンには幸せになって欲しい、と思っているんです。厩舎にいる限り、一生懸命面倒を見てあげたいと思います」

2着 マコトスパルビエロ (安藤勝己騎手)
「スタートはモサッと出ましたが、エンジンが掛かってからはサッと行ってくれました。ずいぶんと力をつけましたね。よく頑張っていますよ。ヴァーミリアンは普通の馬じゃないですからね」

3着 ワンダースピード (小牧太騎手)
「かわせるかと思ったのですが、勝った馬はやはり強いですよ。今回のレースがジャパンカップダートに繋がってくれると良いですね」

4着 メイショウトウコン (藤田伸二騎手)
「今日はゲートを出てくれました。夏バテが尾を引いていた前回と比べて、だいぶ良くなってきていますよ」

8着 ブルーコンコルド (幸英明騎手)
「勝負所までは良い感じでしたが、そこから遅れてしまいました。順調さを欠いた分でしょうか」


 安藤勝己騎手、小牧太騎手が口を揃えて「ヴァーミリアンは強い」と語ったように、内からヴァーミリアンがグイっと出た瞬間、この馬の強さを改めて感じさせられたような思いがしました。大きな怪我も無く、3年以上もダート戦線のトップに君臨し続けるのは、並の馬に出来る事ではないでしょう。

 ただ、エスポワールシチー、サクセスブロッケン、スマートファルコンといった4歳世代の強豪を捻じ伏せて勝つところを見たかったな、という気もしました。サクセスブロッケンが補欠のまま出走できず、残念ながら今年のJBCにJRAからの4歳勢の参戦はゼロ。地方競馬最大のレースが、JRA・地方の最強メンバーで王者を決める場であって欲しい、そのためにも最高のメンバーが揃うようなルールを設けるべき時期に来たのでは、と考えるのは私だけでしょうか。レーティングによる選定や、ファン投票での出走枠を導入するとか…。とは言え、今年も1日レースを見て、馬券を買って、美味しいものを食べて、一人の競馬ファンとして存分に競馬を楽しめたJBCデーでした。今年は馬券も当たりましたしね!!

 来年のJBCの舞台は船橋競馬場。関東以外にお住まいの方も、是非旅打ち気分を味わいに、船橋に足を運んでみては如何でしょうか。


戦いすんだあとの場内


夜は「風来坊」の手羽先。名古屋グルメを満喫しました!!

(レポート:大関隼)


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