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2009年2月5日(木)、東京都内の某有名宴会場で地方競馬の年間表彰であるNARグランプリ2008の表彰式が行われた。
 今年はお馴染みの顔に加えて、内田博幸騎手に代わって頂点に立った大井の戸崎圭太騎手や、特別表彰を授賞したシンガポール高岡秀行調教師など、多彩な面々が集まった。


いよいよ表彰式だ!!


◆最優秀騎手賞・・・戸崎圭太騎手(大井)

 去年、最優秀騎手賞を手にしたのは史上最年少28歳の戸崎圭太騎手。会見が始まってすぐ、司会者の言葉を遮って、ファンや関係者に感謝の言葉を述べるなど、責任感と人柄の良さが感じられる会見となった。
「名誉ある賞を手に出来て嬉しく思います。ミスはまだまだあるし、迷惑を掛けてしまっている事もありますが、1位になれて、本当に有り難いです。
 毎年、1つでも多く勝つのを目標としていて、そして去年はトップを狙っていたので、それが結果として出ている事も嬉しいですね。今年は3歳馬でナイキハイグレードと言う楽しみな存在もいます。1つでも多く勝って、1つでも上の着順を狙って、今年もリーディングを獲りたいと思います」と決意を語っていた。


会見場に入場する戸崎騎手

◆最優秀調教師賞・・・川島正行調教師(船橋)

 最優秀調教師賞の川島正行調教師と、優秀新人騎手賞の川島正太郎親子は、揃って会見に登場した。常連の川島正行調教師は実に7年連続9回目の授賞だ。
「何度もらっても良い賞ですね。戸崎騎手をリーディングにしようと勝てる馬つくりをしてきたのが良い結果に結びつきました。でも、本当は年間100勝していたはずなのですが、正太郎で取りこぼしましたから(笑)今年はフリオーソはもちろん、ネフェルメモリーもいるし、アジュディミツオーも帰ってきて楽しみな馬が多くいます。気を引き締めて、10回目の最優秀調教師賞を狙います。それから、来年は船橋でJBCが行われますから、そこに出られる馬を作っていきたいですね」自らを魔法使いのおじさんと表現しながら語る姿はまさに威風堂々。


◆優秀新人騎手賞・・・川島正太郎騎手(船橋)

 隣に強面の父がいながら、堂々と振舞っていたのが川島正太郎騎手。
「小さい頃に父が授賞している姿を見ていましたが、まさか、自分がその場に立てるとは思っていませんでした。8ヶ月で32勝しましたが、良い馬に乗せてもらっているので、当然の数字です。それより取りこぼしが多くありましたので、もっと勝っていなければいけませんでした。先輩がみな上手い人ばかりで、それぞれの良さを見習っていきたいと思います。1つでも多く勝ってファンや馬主さんに喜んでもらえる様に技術を磨いて頑張ります」もちろん初々しさも残っているのだが、心臓の強さを感じさせる立ち姿だった。


最後は握手で締めくくる

◆ベストフェアプレー賞・・・吉原寛人騎手(金沢)

 100勝以上を挙げ尚且つ進路関係で制裁の無い騎手に送られるベストフェアプレー賞には金沢の吉原寛人騎手が選ばれた。
「金沢から狙える賞はベストフェアプレー賞くらいしかないので狙っていました。獲れて嬉しいですね。2008年は地元で重賞を1勝しか出来なかったのは残念でしたが、自然体で騎乗できた1年だったと思います。金沢のリーディングですが、トップを維持するのは大変で、不安定な位置です。今年は150勝して突き抜けたいですね。今後も海外を含めて色々なステージで腕を磨いていきたいと考えています。もちろん人間も磨いていきたいです」トゥインチアズで一躍スターとなったデビュー時と比べると、顔つきが本当に大人になってきた様に感じられた。


にこやかに語る吉原騎手

◆最優秀女性騎手賞・・・宮下瞳騎手(愛知)、別府真衣騎手(高知)

 最優秀女性騎手賞は、愛知の宮下瞳騎手と高知の別府真衣騎手がダブル受賞。勝負服と違いドレスを纏うと、腕っぷしで生きる騎手とは全く感じさせない。

 宮下騎手は「別府騎手が受賞すると思っていたので、受賞の連絡があってびっくりしました。去年よりも1つでも多く勝つのを目標としているので、それをクリアできて良かったですね。怪我のない様に1つ1つ勝利を積み重ねていきたいと思います」と落ち着き払って語る姿には貫禄すらある。

 別府騎手は「勝ち鞍で劣るし、今年は宮下騎手が受賞すると思っていたのですが、重賞勝ちやレディースジョッキーシリーズ優勝を評価してもらえて嬉しいです。去年よりも1勝でも多く挙げることが目標です」とはにかみながら。
 
 お互いについて訊かれると、宮下騎手は「姿勢が綺麗だし、追える騎手ですね。応援しています」、別府騎手は「憧れの存在です。宮下騎手の様になりたい」と語っていた。


華やかな2人

◆特別賞・・・内田利雄騎手(フリー)

 特別賞の1人目は内田利雄騎手。宇都宮競馬廃止から旅する騎手として日本、いやアジアを股にかけて活躍中。去年はマカオGI制覇&釜山リーディングと言う、関係者の誰もが想像していなかった勲章を手にして、晴れて特別賞授賞となった。
「感慨無量です。所属場を失くしてからは2度と表彰はないと思っていましたから、戻って来られて嬉しいですね。今年も6月から釜山で乗る予定です。それかでは騎手免許の試験と、門別へのスポット参戦を予定しています。あと、韓国で調教方法に関する講師をして欲しいと要望があったので、BTCで調教を学びなおすつもりでいます」とにこやかに話す内田騎手は、パーティー会場でファンからサイン攻めにあっていた。


笑顔のMr.ピンク

◆特別賞・・・高岡秀行調教師(シンガポール)

 特別賞の2人目は、ホッカイドウ競馬の調教師からシンガポールに移籍した高岡秀行調教師。情熱と芯の強さを柔らかい言葉で覆いながら丁寧に答えていた。
「この様な賞がもらえて嬉しいですね。日本とは無縁だと思っていたのでビックリしました。自分の中にある競馬に対する情熱を呼び覚ましてくれたシンガポールに移籍して暫くは結果が出ませんでしたが、石の上にも3年のつもりで、やれるだけやろうと思ってきました。今年で7年目、トレーニングや飼養を自分なりにつかめてきたのが結果に結びついてきているのだと思います。もちろん、日本のみなさんが応援し続けてくれたのも大きいですね。GIを勝った時は一瞬、頭の中が真っ白になりました。これっきりで終わらない様に頑張りたいですね。今度はシンガポールの馬を連れて、日本や香港で活躍させたいと考えています」と静かに力強く語ってくれた。


高岡師とプレゼンター佐々木竹見氏

他に、各部門の表彰も行われた。

◆年度代表馬、サラ4歳以上最優秀馬・・・フリオーソ(船橋)
◆サラ2歳最優秀馬・・・アンペア(北海道)
◆サラ3歳最優秀馬・・・ドリームスカイ(川崎)
◆ばんえい最優秀馬・・・ナリタボブサップ(ばんえい)
◆最優秀牝馬・・・トーセンジョウオー(船橋)
◆最優秀短距離馬・・・フジノウェーブ(大井)
◆最優秀ターフ馬・・・イグゼキュティヴ(北海道)
◆ダートグレード競走特別表彰馬・・・カネヒキリ(JRA)
◆特別表彰馬・・・ホスピタリティ(種牡馬)※2008年8月4日死亡


 完全復活したカネヒキリは国内のレースに専念。かしわ記念や帝王賞でフリオーソ等との激突が楽しめそうだ。売り上げが回復しつつある地方競馬は、確実にファンの注目を取り戻しつつある。2009年は、更に迫力あるレースを繰り広げ、ファンの心を鷲掴みして欲しい。


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