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私が会社から自宅のマンションに帰ると、エントランスで犬の散歩をする人とよく入れ違いになります。マンションで犬を飼っている人って多いですね。よく見かけるのはダックスフンド・ミニチュア、ウェルシュ・コーギー・ペンブローク、ポメラニアン、それに柴犬、シェットランド・シープドッグを飼っている人もいます。

 私は子供の頃から犬が大好きで、実家では犬を飼っていました。初めて飼ったのが、コリーでした。そう、「名犬ラッシー」で知られる毛足の長い犬です。私が小学3年生の時、父親が知り合いからもらったと言って突然連れて帰ってきました。生後3、4ヶ月のオスで、貧乏な我が家には不釣合いな品のあるカッコいい犬でした。「ジョー」と名づけて、散歩して連れ歩くと田舎ではコリー犬が珍しくて振り返って見る人がいて鼻が高かったですね。しかし、ジョーは1年余りで死んでしまいました。血尿が出て、これは獣医に診せなきゃと言っていた次の日の朝、起きて犬小屋に行くと死んでいました。あげた鶏の骨が体の中で刺さったのかしら、と母親は言いました。その日は泣きながら学校に行ったものでした。

 その後6年生になった時、またもや父親が突然子犬を連れてきました。コロコロとした日本犬の雑種で生後まだ1ヶ月ぐらいでした。仕事から帰る途中一匹でフラフラ歩いていたので持って帰ってきたと言うのです。名前を「ゴロー」としました。ゴローは実に目がクリクリっとしていて愛嬌のある顔をしていました。今で言う「癒し」タイプの犬でしたね。ゴローは私が小学校を卒業し、中学、高校、そして一浪の末に大学に入った二十歳の夏まで我が家にいました。ちょうど今頃でした。8月のある日、「ゴローは元気がなくてね」と母親が電話で言ったので、夏休みということもあって東京から実家に帰りました。ゴローはすでに横になっていました。獣医に見せると病状は悪く手遅れと言われました。そしてちょっと目を離して戻ってみたら、もう息をしていませんでした。

 母親が「おまえが帰ってくるのを待っていたんだね」と言いました。いや、泣けましたね。毎日散歩に連れて行って弟のように可愛がっていた愛犬の死はショックでした。泣けて泣けて仕方ありませんでした。

 あれから犬は飼っていません。私は小型犬はあまり好きではなく、それに犬は外で飼うものだと思っています。時々次男が犬を飼いたいと言いますが、今の狭いマンションでは飼うつもりはありません。今のマンションが終の棲家になるかはわかりませんが、もしも今後一軒家に住むことになったら、その時は犬を飼いたいですね。

 飼ってみたいのは、よく見かけるゴールデン・レトリバーでもいいし、狼っぽいアラスカン・マラミュートやジャーマン・シェパード・ドッグもかっこいいですよね。大きくて真っ白なグレート・ピレニーズも飼ってみたいですね。もちろんごく普通の雑種でもいいのです。

 私の実家にはカメラがなく、日常で写真を撮るということがありませんでした。だからジョーとゴローの写っている写真は残念ながら一枚もありません。しかし、長谷川伸の名作時代劇『瞼の母』さながらに今でも両の瞼を閉じれば懐かしい2匹の顔を見ることが出来ます。愛しのジョーとゴロー‥‥。さて、今度飼う犬にはどんな名前をつけようかな。


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