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11月14日午後、美浦トレーニングセンターでは、日本で初めてトレーニングセンターに導入される「ニューポリトラック」で試走会が行われた。
 
 美浦トレセンでは南馬場のCコースの内側10mだけ芝を残し、外側15mをニューポリトラックコースを導入。栗東のDコースは内側が芝で外がウッドチップコースなのだが、ほぼ同じ形態だ。

内が芝、外がニューポリトラック

内が芝、外がニューポリトラック


蹴り上げた砂が高く上がらない

蹴り上げた砂が高く上がらない



 今日は騎手や助手、調教師などが美浦乗馬苑の馬に跨り、コースをキャンターで走り、その感触を確認。試走後は馬場担当者等と活発な意見交換が行われていた。

意見交換!

意見交換!



 その後、実際に騎乗した人への囲み取材が始まった。まずは田中勝春騎手。カネショウエイコウに跨り、コースを1周した。 

田中勝春騎手

田中勝春騎手



・田中勝春騎手

「ダートと違いクッションが良くて、走る時の足音も蹄の後も気になりません。それにウッドチップだと調教後はすぐボコボコになりますが、全体に均一で悪くならないので、そういった面も気になりませんでした。ですから、馬の脚にとっては優しい馬場だと思いますよ。
ただやわらかいだけに、それなりのパワーがなければ走れないでしょうから、それなりのパワーはつきそうです。

 蹴り上げた砂が体につかないので、馬も人も傷つくことはないでしょう。匂いがあるとも言われていましたが、今日のところは気になりませんでした。
感触としては、札幌や函館の洋芝が一番似ていると思います。

 初めてだし、みんな手探りの状態ですからね。これから使いながら考えていきます」

笑顔の岡部幸雄氏

笑顔の岡部幸雄氏



続いて岡部幸雄元騎手。まさか乗っていたとは思わなかったが、アドバイザーとしての騎乗。さすが的確なコメントに囲む記者も唸っていた。

・岡部幸雄騎手

「他の牧場等で何度かニューポリトラックで乗ったことがありますが、材質も均一だし、非常によく出来ている馬場ですね。

 クッションは良いですよ。ただ馬に負荷を駆けられるかどうかは微妙です。メンテナンス次第じゃないですかね。深くしたり固めたりしたりで、いくらでも調整できるのだと思いますよ。

 それよりも、より実践に近い稽古が出来るのが大きなメリットですね。蹴り上げた砂が高く上がらないので、馬を傷つけることがありません。ですから、馬を前後に並べた、縦の練習が出来るコースです。横に並ぶのはどのコースでも出来ますが、縦の練習はなかなか出来ませんよ」

 
 そして、小林誠二美浦トレーニングセンター馬場造園課長にもお話を伺った。騎乗者等から意見を聴取したり、取材者に説明をしたりして忙しく動き回っている中、私もマイクを向けた。

小林誠二課長

小林誠二課長



・小林誠二美浦トレーニングセンター馬場造園課長

「半年間、調教後から日暮れまでの短い時間で工事をしてきましたが、ようやくオープンにこぎつけました。角馬場には数年前から導入していますが、本格的に走るコースへの導入は初めてですから不安な部分はあります。

 今日は試走後に、色々と意見が出ました。厚さを6cmにするのか8cmにするのかや、馬場の内側を速い馬が走るのか外側を速い馬が走るのか、出入り口の設定をどうするのか、馬を止める場所をどうするのか等、多くの意見がありましたので、それを詰めていきたいと思います。

 外国で使われているとは言え、日本では初めてですから、事故が起きたりしないか心配です。オープンの金曜日が終わるまで、緊張が続きますね」

これがニューポリトラック

これがニューポリトラック


色々と混ぜ込んである

色々と混ぜ込んである



 ニューポリトラックは、砂にゴムや繊維等を混ぜ込み、オイルでコーティングしたもの。粘り気がありクッション性が高く、馬の脚にも優しいとされている。

 開場は今週金曜日の16日。幅員15mで併せ馬が2頭までと狭いとの声も聞かれたが、導入の意義は大きい。
 世界では競馬場への導入が進められているニューポリトラックが、日本で今後どの様な展開を見せるのか楽しみだ。


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