大関隼アナ「一つだけ、叶わなかった願い」 [実況アナ!]
2007/12/26(水) 16:42


 この1年を一言で振り返ると「充実していた」に尽きる。自分には雲の上の存在だった「たんぱの実況アナ」の人々と一緒に仕事をするとは、少し前までは夢にも思わなかった。

 ただ、一つだけ叶わなくて残念だった事がある。「広瀬さんにお会い出来なかった事」だ。

 初めて聞いた広瀬さんの実況は、イナリワンが勝った有馬記念。確か小学校1年生の時、オグリキャップ引退直後にテレビでやっていた特番だった。その実況は、リアルタイムで見た別の●●テレビの実況よりも記憶に残っている。

 特に印象的だったのは、スーパークリークとイナリワンの競り合いを実況する一方で出た「オグリキャップは現在、2番手争いの一角!」「外からは、サクラホクトオー!サクラホクトオー!」という言葉。聞いて「えっ、オグリが離されてる?」「ああ、オグリは3着にも入れないくらい沈んじゃったのか…」と、結果を知っているのにショックだった記憶がある。
 今考えると、先頭から2番手、そして3番手争いまできちんと伝えるスタイルを大レースでも守る、という広瀬さんの姿勢の表れだったのではと思う。

 入社して広瀬さんの存在の大きさを一番感じたのは、9月29日の追悼番組の直後。『週刊競馬大道場』の進行をしていた木和田アナの声が詰まって、泣いてしまいそうだった。自分には想像できない程広瀬さんとの思い出があったんだろうな、と思った一方、そういう気持ちにならない自分が、悔しいような気分だった。

 その前にも、先輩方から広瀬さんとの思い出を聞いて「ぜひ一度お会いして話をしたい、色々教えてもらいたい」と思っていた。しかし、それが叶う事は無く、僕にとって広瀬さんは「声しか聞いたことが無い」存在になってしまった。

 今、競馬場で実況の練習をしていると、馬の名前がすらすら言えなくて詰まってしまうことが多々ある。もしかしたら広瀬さんが「お前、そんな実況してるんじゃない!覚えられないなら名前をもっともっと声に出せ!」と天国からお叱りかもしれない。

 広瀬さんへ。たくさんの名実況を残した広瀬さんに近付ける様に頑張ります。直接お話が出来なかった事は本当に残念ですが、見守っていてください。