夏の札幌競馬出張の楽しみの一つに、「ジンギスカン」がある。東京にいるとなかなか食べる機会がないが、札幌へ行くと自然とお店に足が向く。ニンニクをたっぷりと混ぜたタレに、少々焦げ目のついたラム肉を絡め口に運ぶと仕事の疲れも吹き飛び、冷たいビールが、とにかく進む。
　
　そんな楽しみの一つだったジンギスカンが、東京でもちょっとしたブームになっているそうだ。雑誌やテレビでも紹介され、それによると羊肉はコレステロールが低く、体内の脂肪燃焼を助けるカルチニンやカルシウムを豊富に含み、牛肉よりもずっとヘルシーな食べ物なんだそうだ。おまけにリーズナブルときているので、都内でも新しいお店が次々と誕生している。私の住んでいる池袋にも、最近「ジンギスカン」のお店がオープンした。店の前を通ると、肉を焼く音とともに香ばしい臭いが漂ってくる。
　
　ちなみに、ジンギスカン屋の場所は駅に程近いところで決して悪くはないが、いかんせん鰻の寝床のような細長い店舗で、ジンギスカン屋の前は鰻屋、その前は関西風うどんの店があったが、いずれもあっという間につぶれてしまった。しかし「ジンギスカン」はと言うと、１５人ほどが座れる店内は、連日満員の大盛況なのである。実際、２、３度試してみたけれど、これがなかなか悪くない。薄野で食べるラム肉と比べても遜色ない、やわらかくて美味しい肉なのである。たれの味も申し分ない。今年は札幌へ行く前に、「ジンギスカン」を満喫してしまいそうだ。

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