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浦和競馬場で行われた3歳牝馬の重賞桜花賞はミライが優勝。管理する安池成美調教師は初の重賞タイトルを手にした。

 安池さんと言えばかつては大井の土屋薫、船橋の稲川由紀子などと共に南関東を代表する女性騎手として活躍していた人だ。引退後も厩舎に残り、1998年に調教師として開業。7年目の重賞初制覇となった。
 海外には女性調教師も珍しくないが、まだまだ男社会の日本の競馬の世界で調教師として仕事を続けて行くには大変な苦労があったろうことは想像に難くない。桜花賞のレース後、安池調教師の目からは大粒の涙が溢れしばらく止まらなかったそうだ。

 一方、今週の新聞紙上でホッカイドウ競馬の女性騎手佐々木明美の引退が報じられていた。「(地方の女性騎手で初めて)中央の芝のレースで勝つことが夢」と語っていたのを聞いたことがあるが、残念ながら2着があるだけでJRAでは18戦0勝。その夢は後輩に託されることになった。
 卑弥呼杯、駒子賞を勝ち女性騎手ナンバーワンの座に2度就いた佐々木騎手は3月13日に生産牧場の後取り息子と結婚している。今後も生産界で競馬と関わり続けることになるはずだ。

 20年ほど前、大井競馬場で行われた女性騎手によるレースの記者会見の席上「貴女たちは海外で乗りたいと思うか?」と問われ、稲川由紀子騎手が毅然とした表情で「私たちが中央の芝で乗ることはありえないことです。私は芝のレースで乗ってみたいと思ったら海外に行くと思います」と語ったことを思い出した。

 ここ数年、ホッカイドウ競馬から、高崎から、岩手から、愛知から、女性騎手がJRAの競走に騎乗した。成績はともかく実に生き生きと騎乗していたように思う。
 東西のトレーニングセンターで女性調教助手は珍しくなくなった。近いうちにJRAにも女性調教師が誕生することになるだろう。

 徐々にだが、競馬の世界でも状況は変わっている。競馬に関わる女性たちのこれからの活躍に期待したい。


(佐藤 泉)


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