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プロ野球も開幕して、1ヶ月が経とうとしている。戦前の予想とは裏腹に、史上最強打線の巨人や昨年の覇者阪神を抑え、広島カープが快走中だ。そして、連日スポーツ紙を賑わせているのが「赤ゴジラ」と呼ばれる見慣れない外野手。 「・・・苦節10年」。  まさに、そんな選手だ。

 FAや自由獲得枠で、人気球団には次から次へと新しいタレントが入団していく。当然、人気チームの選手には早くから結果が求められ、ファームから這い上がってくる選手も少なくなってきた。「赤ゴジラ」も巨人や阪神だったら、きっと日の目を見ることもなかっただろう。

 赤ゴジラこと、嶋重宣選手は94年のドラフト2位で、投手として広島に入団。99年に野手に転向。なかなか芽が出ないまま、昨年オフには解雇寸前まで追い込まれた。今年から背番号を「55」に改め、背水の陣で臨んだ今シーズン、見事にブレイクした。スポーツ選手のみならず、勇気づけられた人間は恐らく、大勢いたはずだ。

 競馬の騎手の世界でも、今は早い段階での結果が求められる。短期免許で、海外の一流ジョッキーが来日し、地方のトップジョッキーも中央に活躍の場を求めてくる。デビュー間もない新人ジョッキーや、2年目、3年目の若手騎手にとっては、恐らく堪ったものではないだろう。結果を残せなければ、すぐに別の騎手に取って代わられる。

 確かに、強い馬とスタージョッキーの活躍は多くのファンを魅了する。競馬の魅力の一つだ。ただ、10年位前には、「この馬にはこの騎手」という個性的なコンビがあった。アイネスフウジンと中野栄治。トウカイテイオーと安田隆行。ミホノブルボンと小島貞博。「超一流ジョッキー」の勝つダービーとは、また違ったものが、そこにはあった。

 野球と競馬、確かに世界は違う。 が、「赤ゴジラ」のような、崖っぷちから這い上がってくる逞しい選手の登場に期待したい。


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