お知らせ:

競馬実況web

私は今、早く5月3日にならないかなぁ、と思っています。ゴールデンウイークに家族で旅行に行くわけでも、この日に行われるダービートライアルの「青葉賞」で勝つ馬がわかっているわけでもありません。

 先日、「テレビ誕生50年」ということで放送されていたNHKの特別番組を見ていたら、ナントあの名作ドラマが一挙に再放送されるということがわかったのです。あれは名作です‥‥。

 私は、テレビドラマが好きです。小学生の頃から大人が見る夜の9時、10時台の連続ドラマを母親らといっしょに見ていました。私の親は、ラブシーンが出てこようが、暴力シーンで人が殺されようがおかまいなく子供にそのドラマを見せていました。(たぶん自分が熱心に見ていて、「教育上よろしくない!」という考えなどなく、ただ無頓着だったのだと思います)

 少し前にはやった、いわゆる「トレンディードラマ」(これはもう「死語」でしょうか?)や定番とも言える「恋愛ドラマ」、また主人公を演じる俳優が話題となるドラマ(今だとキ○タ◆が主演のアレとか今の大●ドラマなどですかね)もイイのですが、どちらかと言うとカタイ、人生について考えされられてしまう、「ううむ‥‥」とうなってしまうようなドラマが好きなのです。ですから、5月3日からは毎週「ううむ‥‥」となることができると思い、その日が待ち遠しいのです。

 さて、その名作ドラマですが、タイトルは『男たちの旅路』というもので、山田太一氏の作品です。ああ、知っているよ、という方も多いことでしょう。これは、ホント凄いドラマです。

 『男たちの旅路』は、NHK総合で土曜日の夜の「土曜ドラマ」という枠で放送されたシリーズ作品です。第1回は昭和51年(1976年)2月の放送でした。ガードマンを主人公にした話で、主役は吉岡司令補。特攻隊の生き残りで鶴田浩二が演じていました。部下のガードマン役で水谷豊や桃井かおり、シリーズの後半では清水健太郎、岸本加世子などがレギュラー出演していました。
 1話完結のドラマで、どれも「ううむ‥‥」となるのですが、やはりイチオシは昭和54年放送の第4部の作品で「車輪の一歩」というものです(去年でしたか、「NHKアーカイブス」という名作を振り返る枠で再放送していました。またこの作品はビデオ化もされています)。車椅子に乗っている障害者を取り上げたドラマで、アパートの一室に閉じこもらざるを得ない少女(斉藤とも子が演じていました。ちょっとファンでした)を、なんとか外に出そうとする同じ障害者の若者達(まだメジャーになる前の京本政樹、古尾谷雅人でした)にガードマン達が協力するストーリーでした。

 この作品で特に印象に残っているシーンを一つ挙げます。車椅子の若者が、あることがきっかけとなり親に向かってこう言ったのです。「俺、トルコ(今のソープランド)に言ってみたい!」母親はオロオロするのですが、何かあると感じた父親は「ああ、行って来い。5万でも10万でも持たせてやるから行ってこい!」と言って送り出します。しかし‥‥。

 今でこそ「バリアフリー」なんて言葉が頻繁に使われて、エレベーターもずいぶんと増えましたが、24年前は状況が違いました。(今でも障害者を取り巻く環境は、昔とそうは変わってはいないのかもしれませんが‥‥)だからラストで少女が駅で‥‥まぁ、これ以上内容について触れるのはマズイのでやめます。

 私はNHKの宣伝をするつもりはこれっぽっちもありませんが、このドラマは本当に見て損はありません。これまで全ての山田太一作品を見ているわけではないのですが、私は山田太一氏がドラマの主人公に言わせる台詞が好きなので見ています。ちなみに私の「山田太一ドラマ・ベスト3」をここで披露させてもらいますと、1つは今挙げた「車輪の一歩」で残る2つは以下の作品です。

◆『岸辺のアルバム』(TBS系列で昭和52年に放送)
 ご存じのように日本のテレビドラマの金字塔とも言うべき作品です。去年TBSのCSかBSで再放送していたようで、なんとか誰かにビデオ録画してもらおうと思いながらも断念しました。とにかくこのドラマは「日本のホームドラマは『岸辺のアルバム』によって、それ以前と、それ以後に分けられる。」とまで言われる作品です。早くビデオ化されて欲しいものです。

◆『早春スケッチブック』(フジテレビ系列で昭和58年に放送)
 これまたスゴイ作品で舞台化もされたドラマです。山田太一氏は優しそうな顔をされていながら、見てる人間にトンデモナイ台詞をぶちかましちゃうのが素晴らしいですね。このドラマのハイライトは、何と言っても病魔に冒された写真家(山崎努の迫力の演技!)が実の息子(鶴見辰吾が高校3年生を演じていました)から、早く病気を治して長生きしてください、と言われた途端、「ありきたりだ。お前らは骨の髄までありきたりだ!生きてりゃいいのか?ただ長生きすればいいのか!」などと平凡な人生を送る人間を軽蔑するような言葉をズバズバ投げつけるシーンですね。あの台詞は当時モラトリアム大学生だった私にグサッときました。(今でも突き刺さったままです)このドラマも早くビデオにして売ってくれないかなぁ、と思っているところです。

 ところで、この『男たちの旅路』が毎週土曜日の夜に放送されるとなると、出張に行った時に閉店までパチンコを打っていられなくなるのが少々残念です。まぁ、必ずビデオ録画しますからいいのですが、とにかく高校、大学の頃に見て受けた感銘を4月で42歳となるオジサンである今の自分が受け、あの頃のように素直に「ううむ‥‥」となれたらいいな、と思っています。そして10年後には、今小学校1年生である息子にもぜひ見せたいと考えています。


お知らせ

お知らせ一覧