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今年のドバイデューティーフリー、宝塚記念を勝つなど芝の中距離路線で活躍するアドマイヤムーン(牡4歳、栗東・松田博資厩舎)を、ドバイの馬主グループ・ゴドルフィンに40億円で売却する契約が、オーナーの近藤利一氏との間で基本合意に至ったことがわかった。今日都内で記者会見した近藤オーナーが発表したもの。会見でのコメントの要旨は以下の通り。


〜近藤利一オーナーのコメントの要旨〜

 今日こうして皆様に集まっていただいたのは、私が知らないうちに新聞に色々書かれていて、真相を私自身からハッキリさせなければいけないと思ったからです。

 アドマイヤムーンについて、まずドバイへ招待して頂いたことについては感謝しています。レースで勝った後、地元のテレビ局のインタビューで「シェイク・モハメド殿下からアドマイヤムーンを譲って欲しいと言われたらどうしますか」と聞かれたとき、「当然考えるべきことです」と答えました。

 その後モハメド殿下から親書が届いて「一度でいいからドバイへ来て欲しい。交流を深めましょう」と書いてありました。そして「ムーンの勇姿はいつまでも忘れることが出来ない」ともありました。しかし、宝塚記念を控えていましたから、それまでは何とも返事が出来ませんでした。宝塚記念はドバイがフロックではないと証明できた、終生忘れられないレースだと思っております。

 10日に先方から「セレクトセールの下見でドバイから獣医が来ているので、(山元トレセンにいる)ムーンの馬体検査だけでもさせてもらえないだろうか」という連絡があって、了承しました。そして12日に正式にオファーが来ました。

 移籍金は40億円です。日本に対し、ムーンに対し、世界一のゴドルフィンのオファーがあったことは非常に高く評価しております。私の中では今年限りで(種牡馬に)上げようと思っていましたが、ゴドルフィンなら自分の息子が養子縁組するのに申し分ない相手と思いました。

 ですが、実は悩んでいました。先週(函館で)アドマイヤカイトが故障した時、いろいろなことが頭をよぎりました。そこで、一番いい状態の時に旅立たせてやるのも、海外へ出してやるのもオーナーの仕事ではないかと思い、土曜日に決断して、ゴドルフィンに前向きに検討したいと伝えました。

 ただ、契約はまだしていません。オーナーだけではなく、調教師がいて、生産者がいて、ファンがいてのムーンですから、40億のオファーが来たことも、前向きに検討していることも説明する義務があると思いました。細かい契約条件はまだ協議するところがあります。秋の天皇賞を走ることも当然その条件です。ファンも調教師も望んでいますし、天皇賞に出走させたいと思っています。

 相手にとって不足はありません。日本の馬がこれだけ評価してもらえたのは幸せですし、どうしてやるのがムーンにとって一番幸せかを考えたときに、最高の状態である今送り出してやるのが一番いいのではないかと思い、前向きに検討したいとゴドルフィンに伝えた次第です。

(取材:大関隼)


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