11月28日(日)に東京競馬場で行われるジャパンカップ(GI)に出走予定のコントレイル(牡4、栗東・矢作芳人厩舎)について、共同会見の矢作芳人調教師のコメントは以下の通り。
「(秋の天皇賞は)非常にレベルの高いレースだったと思うので、その中でゲートの出、ダッシュという点でひとつのミスが命取りになったレースだと思います。思いのほか疲れがなかったのが何よりでした。去年の菊花賞からジャパンカップは中4週あったわけですが、あの時とは比べ物にならないほど回復が早かったので、非常に調整がしやすかったですね。
(1週前は)併せた馬が先に行き過ぎていたので、追いかけるために内を回ったということがあり、時計ほどの負荷はかからず、78秒~79秒程度の負荷だと考えています。動きはもちろん良いです。いつも良いんですが、(今日も)本当もったいないくらい良い動きです。また一段上がった気がしますし、本格化してきたイメージは持っています。
(舞台設定は)何も問題ない、というか、良馬場でさえあれば良い設定だと思っています。この馬の場合は相手どうこう考えても仕方はないので、強い3歳馬もいますし、今年は海外の馬も有力な馬が来ていますので、いろいろ思うところはありますが、それよりもコントレイルの状態をベストにすることだけを考えています。
(ゲートに関しては)プールも含めてやれることは全てやったので、あとはレース前、コントレイルに『頼むから、大人しくしてくれ』と頼んでおきます。
(枠順は)やはり内の方が良いんじゃないでしょうか。ただ、2400メートルなのでそれほど気にしてはいません。
(自身にとってコントレイルは)言葉では表せないですよね。すごい馬で、本当によくぞうちに来てくれた、という思いです。
(同時期に管理したスターホースが)だいたい引退してしまうので、この後、ちょっと寂しい思いはありますが、コントレイルがいたことで他の馬が引っ張られた側面は否めない、と思っています。そういう点でも彼に感謝しています。
(強さ、凄みを感じたレースを挙げるとすると)皐月賞でしょうか。もちろん東京スポーツ杯2歳Sでもすごいと思ったわけですが、皐月賞もなかなか厳しいレースの中勝ち切ったことに感動を覚えました。
(最もプレッシャーを感じたレースは)菊花賞です。距離的な不安もありましたし、3冠の重み、というものはそれ以前のレースとは全く違ったもので、あの菊花賞のプレッシャーがあったから、世界中どこへ行ってももうプレッシャーは感じないな、というくらいのプレッシャーを感じていました。
(ファンには)もちろん、3冠馬としての誇りを持った強さを見ていただきたいですが、まさか引退戦まで入場制限がかかるとは思っていなかったですし、もっともっとお客さんに見ていただきたかったのが本音です。
泣いても笑っても最後のレース、とにかくベストの状態に仕上げますので、ぜひコントレイルの最後のレース、応援してください。よろしくお願いします」
(取材:山本直)