「日経平均再び33800円乗せ――その後伸び悩む」
「生成AI関連株や防衛関連株が急騰」
11月24日の日本株は上昇しました。22日の米国市場では、決算発表のNVDAこそ安かったものの、半導体関連株は総じて高くなりました。来年以降の半導体市場の本格的回復を期待する買いが先行しました。
NVDAの好決算を受けて生成AI市場の拡大に対する期待も高まりました。エンプラス(6961)が大幅高です。同社は、生成AI市場向けサーバーに使われる光通信レンズの拡販が期待される企業です。エンプラスは本日、大幅高となって9月11日に付けた高値を約2か月半ぶりに更新してきました。生成AI市場への期待値増幅を象徴する株価動向です。
総合化学メーカーのレゾナックHD(旧昭和電工)も大幅高です。半導体素材事業の将来性が関心を呼んでいます。レゾナックは22日、2本のニュースを発表しました。会社側作成の見出しを以下に引用します。
- レゾナック、シリコンバレーに半導体後工程のR&D拠点を新設予定
~ GAFAMや米国半導体メーカーが集う地で最先端の技術開発を推進 ~
- レゾナック、日本メーカー初の戦略パートナーとして先端半導体の米コンソーシアム「TIE」に参画
~Intel、Micron、AMD、AMATなど米国半導体大手とともに技術の研究・開発を進める~
TIE=「Texas Institute for Electronics」(米国テキサス大学オースティン校が主導する非営利団体で、テキサス州や半導体・防衛エレクトロニクス企業、国立研究所、学術機関の官民で構成されています)
2本の発表は、どちらも米国における半導体関連事業の深耕が目的となります。半導体生産大国を目指す米国における事業拡大戦略が、投資家から高く評価されました。
「米国で半導体事業拡大をアピールする会社の株価は上がる」――足元では、こんな意識が高まっているようです。
一時147円台前半まで進んだドル安円高が、再びドル高円安となったことで、今種の前半に売られた自動車株が買われました。
三菱重工が大幅高となりました。22日に防衛事業説明会が開催されました。一部アナリストによると、5000億円規模で推移してきた防衛事業の売上高について、会社側から27年3月期に1兆円に拡大し、その先はさらに1兆円を超える規模になるとの見通しが示されたそうです。
防衛関連事業の収益拡大を評価する買いが三菱重工に膨らみました。当然、防衛事業に関連する企業にも連想が広がり、東京計器等も買われました。
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日経平均の取引時間中の高値は今週の20日に付けた33853円です。終値の高値は7月3日の33753円です。
11月24日午後3時20分記